レバノンの首都ベイルートで2024年10月9日、路上の仮設テントで過ごす避難民の子ども。ベイルート南部でイスラエル軍が夜通し攻撃したため、多くの家族が夜を過ごした=ロイター

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 レバノンへの侵攻を続けるイスラエルネタニヤフ首相は8日の演説で、イスラム教シーア派組織ヒズボラの後継指導者とみられていた人物を殺害したと発表した。

 事実ならヒズボラにとって打撃となる。

2024年10月8日、レバノンの首都ベイルートにある病院の集中治療室で空爆の負傷者の治療にあたる医療スタッフ=ロイター

 ネタニヤフ氏はレバノンでの軍事作戦の成果について、「数千人のテロリストを排除した」と強調し、空爆で殺害したヒズボラの最高指導者ナスララ師や後継者も含まれるとした。消息が分からなくなっているサフィエディン師を指すとみられるが、イスラエル軍報道官は、軍がヒズボラの諜報(ちょうほう)本部を爆撃した際に同師がいたかどうかの状況は調査中とした。

 イスラエル軍はレバノンへの激しい空爆や地上作戦を続けている。レバノン保健省によると、8日は36人が死亡。昨年10月にガザでの戦闘が勃発し、ヒズボライスラエルの間でも攻撃の応酬が始まって以降の死者数は2119人に上る。ネタニヤフ氏はレバノン国民に、「(パレスチナ自治区)ガザのような破壊と苦しみを伴う長期戦争の奈落に落ちる前に救うチャンスがある」とし、「ヒズボラから国を解放し、この戦争を終わらせよう」とヒズボラの排除を訴えた。