インドでの女性研修医のレイプ殺人に抗議の声を上げ、大規模なデモに参加する人々/Rupak De Chowdhuri/NurPhoto/Getty Images

ニューデリー(CNN)インド東部コルカタで夜勤中の研修医がレイプされ殺害された事件で、捜査当局はこのほど男1人を訴追した。インドでは事件を受け、国内にまん延する性暴力の問題に抗議するデモが起きていた。

CNNが確認した訴追状によると、インド中央捜査局(CBI)はこの男について、8月8日午後に友人と飲みに出かけた後、西ベンガル州コルカタの州立大学病院に戻ったと主張。病院のマットレスで寝ている女性研修医を発見したとしている。

地元警察の当時の発表によると、研修医の遺体は翌日、病院のセミナー室で発見され、複数の外傷や性的暴行の痕跡があった。

当時のコルカタ警察トップは8月、研修医は暴行時は夜勤中で、大学病院のセミナー室で休息を取っていたとの見方を示していた。インド法では、レイプ被害者の氏名の公表は認められていない。

CBIの情報筋がCNNに明らかにしたところによると、CBIは7日、インド法のレイプに関する条項に基づき、ボランティアの男を訴追した。

男は女性の遺体が発見された翌日に逮捕され、現在も警察の拘束下にある。CNNは男の身元を把握しており、弁護士にコメントを求めている。

訴追状によると、CBIが提示した証拠には監視カメラの映像や、被害者から見つかった容疑者のものと一致するDNAなどが含まれる。

インドは長年、女性に対する暴力の多発への対策に苦心してきた。国際的な注目を集めたレイプ事件も数多くある。

今回の事件の後には数十万人の医師が全国でデモを行い、正義の実現や女性の安全向上、特に医療従事者の保護強化を求めてきた。

コルカタでは若手医師が40日以上にわたってストを行い、その後も政府が要求に応じていないとして、勤務を再開していない。要求内容は病院の警備の強化や、医療セクターに広がる汚職への捜査など。現場となった大学病院の若手医師も6日、無期限のハンガーストライキに突入し、ベテラン医師数十人が連帯して辞任した。

デモに参加する医師の多くは、患者やその家族による医療従事者への暴行や、身体的虐待の脅しに焦点を当てている。

地元メディアが報じたインド医師会の2015年の調査によると、国内の医師の75%は何らかの暴力を受けた経験があるという。