【サンパウロ時事】メキシコのシェインバウム政権は8日、殺人や誘拐など横行する重大犯罪を減らすため、「国家治安戦略」を策定したと発表した。

 防犯を重視して犯罪の温床である貧困などにも対処するほか、連邦警察に相当する国防省傘下の「国家警備隊」や情報部門を強化する。

 メキシコでは、麻薬カルテルの縄張り争いなどで凶悪な犯罪が頻発。政治家を標的とした犯罪も絶えず、今月に入り就任から間もない市長が殺害される事件が起きた。国連によると、同国の殺人発生率は人口10万人当たり29人と、世界平均の6人を大きく上回っている。

 カルテルに取り込まれるケースが多い自治体警察に代わり、組織犯罪対策を担っている約13万人の国家警備隊は、作戦能力を大幅に強化する。情報部門は収集した情報を最新技術を通じて分析し、犯罪の予測などに取り組むという。