週明け7日前場の香港マーケットは、主要82銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比260.39ポイント(1.15%)高の22997.26ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が127.86ポイント(1.57%)高の8284.36ポイントと続伸した。売買代金は1687億6120万香港ドルとなっている(4日前場は1450億5100万香港ドル)。
 内外環境の改善が相場を支える流れ。米国では9月の雇用統計が強い内容となり、米経済がソフトランディング(軟着陸)できるとの見方が一段と高まっている。先週末の米市場では、主要指標のNYダウが前日比0.8%上昇し、4日ぶりに史上最高値を更新した。中国では追加の景気刺激策に対する期待感が強まる。中国国務院(内閣に相当)新聞弁公室は6日、国慶節連休(1〜7日)明けの8日午前10時(現地時間、日本時間午前11時)に経済政策に関する記者会見を開くと発表した。市場では、より具体的な措置が発表される可能性があると予想されている。連休明けの本土株高期待もプラス。本土市場は今月1日からきょう7日まで休場しているが、その間に香港株は急上昇した。複数の投資ファンドやブローカー、金融機関などが中国株の投資判断を相次ぎ上方修正している。ただ、上値は限定的。ハンセン指数は先週、2022年3月以来、約2年7カ月ぶりの高値水準を回復したとあって、売り圧力も意識されている。ハンセン指数はマイナス圏に沈む場面もみられた。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、ICファウンドリー中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が17.9%高と大幅続伸(4日は29.3%高)。AI(人工知能)向け需要拡大を受け、半導体売上高が伸びるとの期待が高まっている。同業他社株の株価もそろって値上がりした。
 マカオ・カジノ株も高い。銀河娯楽集団(27/HK)が8.8%、金沙中国(1928/HK)が9.3%、永利澳門(1128/HK)が5.9%、新濠国際発展(200/HK)が5.5%ずつ上昇した。国慶節連休中の売上増が期待されている。永利澳門については、親会社の米カジノ大手ウィン・リゾーツがアラブ首長国連邦(UAE)で商業ゲーミングのライセンスを取得したと伝わったことも刺激だ。
 セメントや鉄鋼など素材セクターも物色される。安徽海螺水泥(914/HK)が5.4%高、中国西部水泥(2233/HK)が5.1%高、中国建材(3323/HK)が2.6%高、馬鞍山鋼鉄(323/HK)が7.6%高、鞍鋼(347/HK)が6.4%高で前場取引を終えた。
 ゼネコンやエンジニアリングなどインフラ建設セクターもしっかり。中国中鉄(390/HK)が4.3%高、中国鉄建(1186/HK)が3.3%高、中リョ国際工程(2068/HK)が8.6%高、中国冶金科工(1618/HK)が4.9%高と値を上げた。
 半面、中国不動産セクターは安い。遠洋集団HD(3377/HK)が10.9%、融創中国HD(1918/HK)が8.5%、旭輝(884/HK)が7.7%、世茂集団HD(813/HK)が7.0%ずつ下落した。好材料の出尽くし感が意識される。今年9月末以降、国内各地で不動産政策の最適化・調整が実施される中、住宅販売が増加していると伝わったものの、好感する買いは限定された。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)