高市早苗氏

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 政治評論家の後藤謙次氏、政治学者の中北浩爾氏、元防衛相の森本敏氏が23日、BSフジの報道番組「プライムニュース」に出演。27日に投開票が行われる自民党総裁選に立候補している高市早苗経済安保相が、総理就任の際にも公的に靖国神社参拝を続けることを宣言していることに触れ、3人ともに猛批判を展開した。

 番組では終盤戦を迎えている総裁選について特集。その中で、高市氏総理に就任した場合の靖国神社への参拝に関して「国策に殉じられた方に尊崇の念を持って感謝の思いを捧げる。これは変わらないと」し、「内閣総理大臣・高市早苗と記帳する」という考えも示したことを紹介した。

 これに後藤氏は「本当にこれは、理解に苦しむんですね」と不快感をあらわに。「今、日中関係がこれだけ複雑になってます。あの少年(殺害)の事件があって、さらに厳しくなってる。間違いないんですけども、安全保障も含めて、やっぱり大きな外交を語った時に果たしてこのことが日本にとってプラスかどうか」と持論を展開した。

 さらに1972年の日中共同宣言についても触れ、中国は国家として靖国参拝に反対していると指摘。「そこを逆なでするようなことをやって、もっと対話をしなければいけない中国との、対話の窓口を今から閉ざしちゃっていいんですかと」と力説した。

 中北氏も「日中関係もあるけど、日韓関係。ユン・ソンニョル大統領になって、日韓関係は劇的に改善した」とした上で、「ユン大統領は、国内では親日的だっていう批判が浴びてるわけですよ。これで仮に靖国に行ったら、ユン大統領もかなり対日強硬態度を示さないといけない」と主張。さらに、昭和天皇がA級戦犯の合祀を理由に靖国参拝を取りやめたことも挙げ、「そういうところに日本国の総理大臣が行くことが適切なのか、冷静に判断しないと」と高市氏の発言を非難した。

 森本氏も「まったくお2人に同意」とし、「国策に殉じられた方に尊崇の念を持って感謝の思いを捧げる。これでいいんです。だけどそれを、個人がやればいいんです。内閣総理大臣という肩書きで行くということが、いかに日本の国益を損ない結果として日韓関係は乗り切れるかもしれないけど、日中はもうとにかく身動きにならない状態になる」と明言。日米関係についても「日中関係と日韓関係を、日本の方から靖国に行くということによって起こされた外交上の欠損を、アメリカは容認しないと思いますよ」と推察した。