【独自】中国で人気の日本版ハンバーグ店「肉肉大米」の“パクリ店”が続出 「焼き立てごはん」変な日本語も…直撃に「よくわからない」

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今、“日本版ハンバーグ”が中国国民の胃袋をつかんでいる。しかし、国内では早くもハンバーグの見た目やロゴがそっくりな店が続々と出現していた。

“日本版ハンバーグ”の店に長蛇の列

北京市内にある「肉肉大米」は21日、1時間待ちの大行列となっていた。

「肉肉大米」は、9月にオープンしたばかりのハンバーグ専門店だ。店名の通り、こだわりは、牛肉100%の粗びきハンバーグとふっくらと炊き上げたコシヒカリ。客からは「とても新鮮です。形がかわいくて味もおいしい」「目の前で肉を切るので、原材料はしっかりしていると感じる」と好評を得ている。

「肉肉大米」は日本の企業「物語コーポレーション」が手掛ける。中国の客を惹きつけているのは、ハンバーグを焼く様子やチーズを豪快にかけるトッピングなどを客の目の前で仕上げてくれることだ。物語コーポレーション上級執行役員の堀誠さんは「中国ではミンチの信用度がない。色んなものを混ぜてかさ増ししたり。肉肉大米では牛100%の粗びきで、できるだけ混ぜ物がない肉を提供している」と店のこだわりを語る。

これが安心・安全を気にする中国人にヒット。「肉肉大米」は2022年に上海でオープンすると瞬く間に増え、今では中国国内に15店舗まで拡大した。

“パクリ店”を直撃するも「よくわからない」

人気に火が付いた一方で、中国国内に早くも現れたのが“パクリ店”だ。

蘇州市のショッピングセンターには、「肉肉大米」にそっくりなハンバーグ店「肉塔塔」という店があった。店のロゴはご飯の上に卵の黄身とハンバーグが乗った白黒のデザインで、本家とうり二つだ。看板を見ると炊きたてではなく、「焼き立てごはん」と書かれ、おかしな日本語が使われている。客の目の前で仕上げるチーズハンバーグも本家とそっくりだが、食べてみるとハンバーグ自体は歯ごたえはあるが、味に特徴がない。

パクリ店の店長だという人物に「肉肉大米」と関連はあるのか直接たずねると、「私はよく分かりません。ここに来たばかりなので」と答えた。

「肉肉大米」を運営する物語コーポレーションによると、こうしたパクリ店は少なくとも13ブランドに及んでいるという。代表取締役専務の岡田雅道さんは「商標の申請をしています。それはブランドを守るために行っていることです」と話す。

中国では、スターバックスやマクドナルドなどの人気チェーンを模倣するためのマニュアルが、ネット上で販売されている。

中国でこうしたパクリ店が増える理由について、中国事情に詳しいジャーナリストの周来友さんは「明らかに日本のパクリというやり方でなければ、中国語に直せば商標法に抵触していないので、いざ裁判となると必ずしも100%勝てる保証がない」と指摘している。
(「イット!」 9月23日放送より)