プロ初セーブを挙げた岡留は岩崎と抱き合う(撮影・田中太一)

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 「DeNA5−6阪神」(21日、横浜スタジアム)

 渾身(こんしん)の11球だった。3年目の阪神・岡留がプロ初セーブ。「結果そうだったというだけで、そんなに考えていなかった。目の前のバッターを一人一人抑えていっただけ。いつも通り、緊張していました」と控えめに喜びを表現した。

 佐藤輝の本塁打で1点を勝ち越した直後、延長十回に7番手として登板した。九回までに勝ちパターンの4人を使い果たしていたこともあって、重要なマウンドに送り出された。岡田監督は先頭の佐野に対して富田を投入することも考えたと明かしたが、「(イニングの)アタマからいけ」と右腕に勝敗を託した。

 岡留は「バッターのタイミングを見ながら、意識してやりました」とDeNAの強力打線と対峙(たいじ)。外角低めを丁寧に突きながら、佐野を左飛に仕留めた。4番・オースティンはフルカウントから外角へのスライダーで空振り三振。左翼席から三塁側を埋め尽くした虎党から「あと一人」コールが降り注ぐ中、最後は五回に代打で3ランを放っていた宮崎を三ゴロに打ち取った。

 「ゼロに抑えることだけ意識して、一人一人抑えた結果が3人で終わったというだけ」。沖縄出身の温厚な24歳は、大仕事を終えて穏やかに笑った。