被害者宅の玄関(提供)大阪府警吹田署

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 同じワンルームマンションに住む1人暮らしの女性宅に侵入したとして大阪府警吹田署刑事課引継捜査係は18日、吹田市の会社員、柳原伸嗣容疑者(27)を住居侵入などの疑いで逮捕した。

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 その「手口」は実に巧妙で手が込んでいた。

 柳原容疑者はまず部屋の玄関にあるタッチパネルを斜めからのぞき込み、指紋の付着具合を見ながら頻繁に押されている数字を確認。次にその部屋の住人が女性かどうか、1階の集合ポストに入っている郵便物の宛名から判断していた。

 夜になるのを待ち、マンションの駐車場から室内に明かりがついていないことを確かめると、念には念を入れ、インターホンを鳴らして不在かどうか再確認。留守中、指紋が付いていた4つの数字をそれぞれパターンを変えて入力し、ロックを解除して、20代の女性2人、30代女性1人の部屋に忍び込んでいた。

暗証番号は4〜12桁の数字を組み合わせて設定できるようになっていたが、4桁の生年月日にしている被害者が多かったため、パターンは限られた。郵便ポストもダイヤル式だったので無施錠か、右か左に1メモリ回すだけで開けることができた。暗証番号は5回間違えると3分間ロックがかかるが、その場合、その日の犯行は諦め、後日、再チャレンジしていた。本人も同じマンションの住人だったため、その辺の勝手は分かっていた」(捜査事情通)

 8月上旬、柳原容疑者が20代女性宅の暗証番号を解除して侵入しようとしたところ、内側からU字ロックがかかっていて、室内にいた女性が「インターホンを押され、ドアを開けられかけた」と通報し、事件が発覚した。

 調べに対し、柳原容疑者は「1人暮らしの女性の生活に興味があった」と供述し、女性たちは「何も取られていません」と盗難被害には遭っていないというが、警察は性的欲求を満たすために侵入した可能性があるとみて捜査を進めている。

「というのも柳原は5〜8月にかけ、3人の女性宅に繰り返し何度も侵入しています。その後、9月7日には大阪の地下鉄駅のエスカレーターで女性の下着を背後から動画盗撮しながら陰部を露出して射精し、スカートに精液を付着させ、逮捕された」(捜査事情通)

 柳原容疑者は女性たちの部屋で何をしていたのか──。

■電子機器の盲点

 吹田署はこう注意を呼びかける。

「不法な侵入を防ぐため、暗証番号は誕生日ではなく、複雑な数字に変更してください。特に女性は指先にクリームなどが付いていることがあるため、面倒でも1回1回、タッチパネルを拭いてください」

 電子機器の盲点だが、犯罪を防ぐには自衛するしかない。