異種目トレにも意欲…やり投げ五輪女王の来季ターゲットはあと６０センチに迫った「アジア記録更新」
陸上女子やり投げパリ五輪金メダルの北口榛花（２６）＝ＪＡＬ＝が１６日、同五輪後初めて羽田空港に凱旋した。１４日のダイヤモンドリーグ（ＤＬ）ファイナル（ベルギー）で、日本勢初の２季連続優勝を果たし、今季全試合を終えたが自己記録（６７メートル３８）は更新できず。このオフは、競技経験のある競泳やバドミントンも組み込んだ基礎体力アップに取り組み、来年９月の東京世界陸上での活躍やアジア記録（６７メートル９８）更新を誓った。
女王は前だけを見ていた。パリ五輪の金メダルとＤＬファイナルのトロフィーを横に置き、会見に臨んだ北口。今季１０戦８勝と輝かしい成績だが総括は「ひたすら悩み続けて、もがき続けたシーズン」だった。「大きな大会では勝負という部分で帳尻合った部分がたくさんつくれたと思いますが、それまでの過程は難しいことが多かった。良い勉強になりました」。ＤＬファイナルで６６メートル１３の今季ベストをマークも、昨年９月以来の自己記録更新は逃した。
原点回帰でスケールアップを目指す。幼少期は競泳やバドミントンをこなし、中学時代は競泳で全国大会出場経験もある。「原点を大事にしたい。その２つがあるから今の投げのスタイルが確立されている」と自身ならではのしなやかな投げを一層、追求していく考えだ。「何らかの形でトレーニングに結びつけていきたい」とさまざまな角度から、進化の糸口を探っていく。
ターゲットは明確だ。「充電期間に入ります」と今季はオフに入る。来季は「アジア記録をまず更新したい」と自身の持つ日本記録から６０センチ先のアジア記録更新に狙いを定めた。東京で行われる世界陸上へも「日本の皆さんの前で良い投てきができるように」と気持ちを高ぶらせた世界女王。２５年は、記録にも記憶にも残る圧倒的な１年にする。（手島 莉子）
