「2024台北安全対話」に出席した武居智久元海上幕僚長

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(台北中央社)世界における中国の脅威や台湾海峡の安全保障に焦点を当てた国際会議「2024台北安全対話」が12日、台北市内で開かれた。武居智久元海上幕僚長は、台湾が中国から侵攻を受けた際、日米からの応援が到着するまで持ちこたえられるだけの能力が台湾には必要だとの考えを示した。

会議は政府系シンクタンク、国防安全研究院が主催。米国やカナダ、オーストラリア、日本、韓国など9カ国の専門家や学者計20人を招き、「民主主義の挑戦や強靱(きょうじん)性の強化」「中国の長期的グローバル戦略と安全保障の挑戦」「世界の安全保障における台湾の重要性」など六つのテーマで国内の専門家や学者と対話した。

武居氏は、台湾の地政学的価値は日本にとって非常に高く、台湾は攻め落とされにくい島国だと指摘。その上で、侵攻を受けた場合には米国は確実に助けに来るものの、最初から助けられるわけではないだろうとし、台湾には日米が応援に駆けつけるまで消耗戦を戦う能力が求められるとの見方を示した。また、これこそが台湾に必要な強靱性だと述べた。

(呉書緯、游凱翔、廖文綺/編集:名切千絵)