中国・柳州市、新エネ車産業の発展を加速 輸出も急増
上汽通用五菱汽車傘下の「CloudEV」。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
【新華社南寧9月12日】中国の重要な自動車生産拠点である広西チワン族自治区柳州市で、世界有数の新エネルギー車産業都市の形成が進み、新たな質の生産力（科学技術イノベーションが主導し、質の高い発展を促す生産力）の発展が加速している。
柳州市の自動車輸出台数は2023年末までに累計100万台を突破。今年1〜6月の自動車生産額は前年同期比16.9％増の577億5千万元（1元＝約20円）、販売台数は10.1％増の64万7千台となり、うち新エネ車は96.2％増の23万8千台に上った。柳州税関によると、同期の輸出台数は23.8％増の9万554台で、輸出額は23.9％増の60億8千万元、新エネ車の輸出台数は1万203台と13.7倍に急拡大している。
上汽通用五菱汽車の新エネ車用電池。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
地元を代表する自動車企業、上汽通用五菱汽車は17年7月に初の新エネ車「宝駿E100」を発売して以降、数多くの新エネ車モデルを次々と市場に送り出してきた。中国新エネ車販売ランキングのマイクロカー部門で長期にわたり上位を維持。2〜4人乗りのコンパクトモデル「五菱宏光MINIEV」は発売から4年で累計120万台以上を販売するヒット作となり、柳州市内でも至る所で走っているのが見られる。アップグレードモデルもあり、既にインドネシア市場などで発売されている。
傘下のブランド「宝駿」の同市にある完成車工場では、組み立て中の車体を載せた無人物流車両が、産業用ロボットに囲まれた「島」の間を行き来しているのが見られる。組み立てのスタートからラインオフまでの全ての工程がロボットによって行われている。同工場幹部の高豊（こう・ほう）氏によると、「島」式のリーン生産を始めてから、メインの生産ラインの工程数が40％減り、部品の在庫が30％減少、100％の製品で全ライフサイクルのデータトレーサビリティーを実現したという。
上汽通用五菱汽車のスマート工場。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車の海外事業・エンジニアリングセンターの曽哲華（そう・てつか）輸出市場販売マネジャーによると、同社は17年、インドネシアで、中国メーカーとして投資規模が最も大きい自動車生産拠点を建設した。16社の企業と協力し、現地のサプライヤー100社余りを選定するとともに、半導体チップや制御装置などのコア技術の現地生産化を実現した。今年1〜6月のインドネシアの新エネ車市場における同社のシェアは60％を超えたという。
同じく同市に本社を置く東風柳州汽車は世界80以上の国・地域に販売ネットワークを広げ、今年1〜6月の欧州向け自動車輸出は4千台を超えた。新エネ車に積極的に布石し、同期の新エネ商用車販売台数は前年同期比51％増加。5月には新エネ車50台を初めてイラクに輸出した。同社の張坤（ちょう・こん）総経理特別助理は「新たな質の生産力は今や、中国の自動車ブランドの世界市場における重要な競争力となっている。引き続き海外市場を開拓していく」と語った。（記者/武思宇、黄浩銘）
柳州市柳東新区にある上汽通用五菱汽車の展示施設「中国五菱館」。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車傘下の「宝駿730」。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車の新エネ車。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車のインドネシア工場が生産した新エネ車。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車傘下のミニバン「五菱之光」。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車の車両部品の展示。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車の新エネ車。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車傘下のミニバン「五菱之光」。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車のスマート工場で組み立て中の完成車。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車の前身、柳州動力機械廠が1960年代に生産したトラクター。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車の前身、柳州拖拉機廠（1966年に柳州動力機械廠から社名変更）が80年代に生産したミシン。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車の前身、柳州拖拉機廠が1982年に開発した最初の軽トラック。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
上汽通用五菱汽車が形成を目指す五つの「100億元レベル」の産業クラスターについての説明。（8月6日撮影、柳州＝新華社配信）
