セイコーウオッチは、「キングセイコー」コレクションの新モデルとして、キングセイコーブランド生誕の地、東京・亀戸に今も息づく伝統美にインスピレーションを得た機械式腕時計の新モデル3種(SDKA011/SDKA013/SDKA015)を、10月11日に発売すると発表した。価格は税込418,000円。

「6L」キングセイコーの新モデル

キングセイコーは、東京・亀戸に存在したセイコーの時計工場「第二精工舎」で1961年に誕生した。当時、もう一つの主力拠点であった諏訪精工舎の主に「グランドセイコー」と競うように製品を開発し、日本の機械式腕時計の進化に大きな役割を果たした歴史がある。その後、1970年代にかけて両工場の垣根は薄まっていくが、今でも、キングセイコーといえば亀戸に思い至るファンは少なくないだろう。

新モデルはSDKA系キングセイコーの追加ラインナップで、ムーブメントは薄型28,800振動の「キャリバー6L35」。ケースサイズは38.6mm(りゅうず除く)径の10.7mm厚。ケースデザインは44KSKとして知られるオールドキングセイコーのセカンドモデルを再現したもので、独特のラグ形状やボックスガラスが特徴。太いドーフィン針も美しい。なおオリジナルモデルとは異なりデイト有り。





梅色の「SDKA011」。今回もキングセイコーならではのケースのエッジの立ちが良い。立体カットされたドーフィン針は太さと長さに注目





青色の「SDKA013」。12時のインデックスはもちろん「ライターカット」





薄紫色の「SDKA015」。復刻KSKといえば標準装備の7連ブレスレットも見逃せない。直線的に面取りされた鋭いエッジを持ちながら、滑らかで装着しやすいという優れもの。しかも絶妙にキラキラして美しい

新モデルのラインナップは文字盤のカラー違いでSDKA011、SDKA013、SDKA015の3種。色だけでなく型打模様もそれぞれ異なる。

梅色のSDKA011は、浮世絵にも描かれるほど有名であった亀戸の一本の梅に着想を得て、梅が美しく咲くさまを新しい型打模様で表現。細やかな梅の模様を表した型打パターンに、奥行きのある赤色をグラデーションで塗装することで、梅の花がより立体的に見え、さらに光の加減によって様々な表情に変化する文字盤を楽しめる。

梅が美しく咲くさまを新しい型打模様で表現

青色のSDKA013は、「亀戸」の「亀」がモチーフ。亀は長寿を象徴する吉祥の動物として古くから親しまれ、甲羅の形が由来の「亀甲文」は、縁起の良い柄として継承されてきた日本の伝統的な吉祥文様のひとつ。亀甲文の型打模様と、亀戸近くの隅田川から着想を得た深い青色が調和し、ブランド誕生の地を象徴するモデルに仕上げた。

縁起の良い柄として継承されてきた日本伝統の亀甲文の型打模様

薄紫色のSDKA015は、亀戸天神社の藤の花をイメージ。当時の亀戸工場の近くあった亀戸天神社の藤棚から、春にたくさんの藤の花が咲き誇る様子を文字盤で表した。藤棚に咲く無数の花々が、風が吹くと波のように動くさま(藤波)を、立体的な新しい型打模様に柔らかな薄紫色のグラデーションを重ねることで表現した。

藤棚に咲く無数の藤の花が、風が吹くと波のように動くさま(藤波)を型打模様に

ほか主な仕様は以下の表の通り。