[8.25 SBS杯 U-18日本代表 0-0(PK7-6)U-18アルゼンチン代表 エコパ]

 U-18日本代表初招集で、SBSカップの全3試合に先発出場。MF南創太(日章学園高3年)は今回の活動を終え、「ここへまた帰って来れる選手になって、挑戦したいです」と決意を口にした。

 U-18アルゼンチン代表との最終戦は、逆転優勝をかけた大一番だった。過去2試合同様、右サイドで先発した南は前半8分、一発で取りに来たDFの股間にボールを通して抜き去ると、左足クロスを上げる。その後もボールを引き出す回数を増やし、右SB斉藤秀輝(大宮U18)とのコンビネーションによる崩しを狙ったほか、ダブルタッチからのドリブルでDFを振り切ろうとした。

 アルゼンチンDFの素早い寄せに対し、南は幾度か駆け引きで上回るようなシーンも。「新しい、高校サッカーではできない駆け引きっていうのができて、凄く楽しかったです」と振り返る。

 また、今大会、チームのプレースキッカーを託されていたレフティは、「クロスだったりは、継続してやっていける」と実感。それでも、初代表で普段通りのプレーができなかったことに悔しさを滲ませていた。

 南は宮崎の名門・日章学園高で昨夏から台頭。カットインからの左足シュートや鋭い抜け出しからゴールを破り、縦、中へのドリブル、クロスで決定機を創出する。チームメートのU-19日本代表FW高岡伶颯(3年)から刺激を受けながら努力を重ね、自身も飛躍。複数のJクラブが注目する存在となり、初の年代別日本代表入りも果たした。

 だが、今大会に関しては、「自チームで出してる自分のプレーがあんま出せなくて、縦へちぎったりしてっていうのがなくて、ちょっと不完全燃焼というか、悔しい結果には終わりました」と首を振る。U-18日本代表はアルゼンチンにPK戦で勝利したものの、全3試合で無得点に終わり、優勝を逃す要因に。南がより仕掛けて、左足を振っていれば結果も変わったかもしれない。

 その悔しさや、対世界で学んだことは飛躍へのエネルギーに。「やっぱ今日だったら、アルゼンチンのプレッシャーとか、寄せは凄く速かったり、世界との差を感じました。守備の強度だったり、世界を見て足りないところとか見つかったんで、悔しいですけど、前向きなパワーに変えていきたい」。課題として再確認したマークを外す動きにも、より精力的に取り組んでいく考えだ。

 日常を変え、これまで以上の活躍をする。「まずは自チームでプリンス(リーグ九州1部)が来週もあるんで、一つ変わったっていうのを出すことと、ここで大きな印象を残せなかったので、やっぱり自チームではもっと一番目立つというか、毎試合目立てるぐらいじゃないといけない」。世界基準を体感したアタッカーは、必ずスケールアップして代表チームに再挑戦する。


(取材・文 吉田太郎)