2人の首相経験者に担がれても…(C)日刊ゲンダイ

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「今後については真剣に考えて判断したい」

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 18日横浜市の自民党神奈川県連で会見した小泉進次郎元環境相は総裁選への出馬について問われ、こう話した。世論調査では「次の首相」の上位常連で「ポスト岸田」の有力候補として注目を浴びるが、ここへきて暗雲が漂い始めている。

 原因は、3つのネガティブ材料。まず、進次郎の背後に2人の首相経験者の影がチラついていることだ。1人は森元首相である。

「森さんは進次郎さんを担ぐことで、バラバラになった安倍派の一部を結束させようと画策しているようだ。しかし、森さんの存在が前面に出れば進次郎さんのイメージ悪化は必至。安倍派内に一定数の『進次郎シンパ』がいるのは事実だが、支援取りまとめのために森さんを頼ろうものなら、進次郎さんは終わりだ」(安倍派議員)

 もう1人は、進次郎の支援を決めたとみられている菅前首相だ。

「当選9回で重鎮の菅さんは無派閥議員を中心に影響力があるのは確かだ。しかし、彼自身は『古い自民党』の象徴とみられても仕方ない立場で、『刷新感』を売りにしたい進次郎さんにとってはマイナス。菅さん本人も気にしています」(菅前首相に近い自民党議員)

 とはいえ、非主流派の“ドン”である菅前首相に連なる議員は30人とも40人ともいわれている。進次郎にとって、立候補に必要な推薦人20人を確保する上で菅前首相の支援は必要不可欠。ところが、スンナリと集められるか微妙な状況になっている。

「菅さんと進次郎さんは共に神奈川県内の選挙区選出で、推薦人を集めるに当たって、菅さんは県内選出の議員に呼びかけることになる。ところが、今回は麻生派所属で県内選出の河野デジタル相も出馬に意欲を示している。県内には麻生派所属の議員が多いため、県連所属議員の対応は割れるでしょう。進次郎さんは思うように推薦人を集められない可能性があります」(官邸事情通)

■若手がコバホークに雪崩を打つ可能性

 最大のネックは、にわかに注目を集める「コバホーク」こと小林鷹之前経済安保相の存在だ。

「互いに40代でフレッシュさではいい勝負。しかし、進次郎さんはどうしても『ポエマー』『中身ナシ』の印象が拭えない。それだけに『財務省出身の小林さんの方がいいのでは』と、若手が小林さん支援に回りかねません。実際、進次郎陣営から小林陣営に移った議員もいます」(永田町関係者)

 “客寄せパンダ”で人気者のはずの進次郎だが、一気に潮が引きかけている。出馬にこぎつけても、大惨敗では赤っ恥だ。

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