グラビアモデルとしても活躍した

 僕らの少年時代を彩ってくれた1970〜1980年代の「夏のCM」。海外撮影も当たり前だった当時の撮影秘話を、あこがれの出演者たちが明かしてくれた!

 夏目雅子、浅野ゆう子らを輩出した、カネボウのキャンペーンガールを1980年に務めた。甲斐バンドの『ビューティフル・エネルギー』が流れる化粧品のCMといえば、記憶がよみがえるだろうか。

「高校2年のとき、CM3本とポスター撮影のために、オーストラリアへ1カ月、行きました。大人のなかにいた私は、スタッフのみなさんからは『お子様ランチみたいだから』という理由で『ランチ』と呼ばれていましたね。撮影は船の上。用意されていた大鍋のケータリングが猛暑でいたみ、食べられなかったことを、もったいなくて覚えています」

 そして高校3年の夏、萩原のポスターや等身大パネルが街じゅうに。

「同級生や先生、みんなが驚いていました」

 グラビアモデルとして活躍した後、女優に転身。『ウルトラマン80』『科学戦隊ダイナマン』などの“特撮ヒロイン”としても人気を得た。

「芸能界を引退して結婚し、子育てをしながら介護職、保険会社などで働いて、4年ほど前に女優として復帰しました。『カネボウ』があったからこそ、夢だった女優になれました。私にとって“人生のギフト”だったと思います」

はぎわらさよこ

1962年生まれ 東京都出身 1980年、『カネボウレディサマーキャンペーンガール』でアイドル賞。2020年の映画復帰作『スモーキー・アンド・ビター』で、WICA外国語映画最優秀助演女優賞 。2024年8月から新たな映画の撮影に入る

写真・木村哲夫