ドリーム・オン・アイスで演技した坂本花織【写真:矢口亨】

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エキシビション「ドリーム・オン・アイス」

 フィギュアスケートのアイスショー「ドリーム・オン・アイス」が28日、KOSE新横浜スケートセンターで初日を迎えた。新シーズンのプログラムを観客の前で披露できる貴重な機会。3月の世界選手権で3連覇を達成した坂本花織(シスメックス)は「前半はしっとり大人っぽく、後半は自分らしい力強さを」というタンゴを舞い、客席から拍手喝采を浴びた。

 黒を基調にしたドレスをまとい、女王・坂本が艶やかに舞った。来季のショートプログラム(SP)「Resurrection del Angel / La muerte del Angel」は「競技では初めて」というタンゴ曲。指先まで感情込めた演技で魅了した。スリリングな弦楽器の調べに合わせて複雑なステップを次々に披露。ジャンプも難なく成功させ、観客のスタンディングオベーションを浴びた。

 世界選手権では56年ぶり、史上8人目となる女子シングル3連覇を達成した坂本。新SPのテーマについて「前半はしっとり大人っぽく。昨シーズンのフリーで得た経験を生かそうかなと。後半のテンポが速くなるところからは自分らしい力強さとか、今日はリンクがちょっと小さめだが、試合の大きさになればスピード感を生かしたプログラムになっていると思うので、そこを見てほしい」と説明した。

 髪色が明るくなったことについて記者に尋ねられると、「(学生時代にいろいろ試して)まあ、黒やなと思っていたが、最近また染めたい欲が出てきた。この髪の毛の中は金髪で、全頭ブリーチを2回した。一瞬めちゃくちゃギャルになりました」と明かし、報道陣の笑いを誘った。新シーズンに向け、「より表現力に力を入れたい。指先からエネルギーが出るような表現ができたら」と意気込んだ。

 この公演は競技会以外にファンの前で演技をする機会がなかった2004年、演技披露の場を創出することで選手の強化・育成の一助になることを目的に始まった。以来、新シーズンのプログラムのお披露目の場として、現役選手たちをバックアップ。21回目の今年は通常照明を採用し、グループごとに演技直前の6分間練習を取り入れるなどリニューアル。より競技会に近い緊張感のある構成となった。

 3月の世界選手権男子シングルを制したイリア・マリニン(米国)、2022年の四大陸選手権男子シングル優勝者のチャ・ジュンファン(韓国)らもゲスト出演した公演。29日、30日にもKOSE新横浜スケートセンターで開催される。

■出演者

・男子シングル
鍵山優真
三浦佳生
佐藤駿
山本草太
中田璃士
中村俊介
垣内珀琉
周藤集

・女子シングル
坂本花織
千葉百音
吉田陽菜
渡辺倫果
三原舞依
島田麻央
上薗恋奈
櫛田育良

・アイスダンス
吉田唄菜/森田真沙也
田中梓沙/西山真瑚

・シンクロ
神宮アイスメッセンジャーズ

・ゲスト
イリア・マリニン
チャ・ジュンファン

(THE ANSWER編集部)