パリ行きを決め笑顔の豊田兼(撮影・吉澤敬太)

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 「陸上・日本選手権」(28日、デンカビッグスワンスタジアム)

 男子400メートル障害決勝で豊田兼(21)=慶大=が47秒99で優勝し、パリ五輪出場が内定した。日本人の47秒台は為末大、成迫健児に次いで3人目。

 豊田はスタート直後から果敢に飛び出すと、最終コーナーを回ったところで2位以下を引き離した。直線に入ってもスピードを維持。これまでの自己ベスト48秒36を大きく更新する好タイムをマークした。

 レース直後は「目標タイムは48秒台前半だったのに、まさか47秒台に入るとは思わなくて」とこぼした豊田。「まずは優勝して自己ベストを更新できたので満足している。想定通りのレースができたので、五輪に向けて緊張していくのかなと思っている」と武者震いした。

 豊田は27日の予選を全体トップの48秒62で通過。29日から始まる110メートル障害にもエントリーしており、こちらは参加標準記録13秒27を突破して優勝すると代表切符を得られる。

 ◆豊田兼(とよだ・けん)2002年10月15日、東京都出身。陸上は小学2年でクラブチームに入って始め、桐朋高を経て慶大に入学。現在は110メートル障害、400メートル障害、400メートルの3種目をこなす。23年8月に世界ユニバーシティー大会の男子110メートル障害で優勝。24年5月のセイコー・ゴールデングランプリは400メートル障害で48秒36の自己新記録で優勝した。身長195センチ。