〈那須2人殺害〉「ワタシ逮捕されるかもしれない」そう部下に話していた長女は事件1カ月後に会社社長に就任していた「両親が大切にしていた店は続けていきたい」でも「日々やつれた様子だった」

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東京・上野で焼肉店などの飲食店を多数経営していた「サンエイ商事」社長夫妻殺害事件は、7番目の容疑者として新たに夫妻の長女、宝島真奈美容疑者(31)=東京都世田谷区=が殺人容疑で逮捕され、波紋を広げている。警視庁栃木県警の合同捜査本部は、事件の首謀者とみられる内縁の夫、関根誠端容疑者(32)との膨大な通信記録の解析から共犯性を裏付けたが、はたしてこの「愛娘」が犯人グループ逮捕の大トリになるのか。

〈衝撃〉長女・真奈美容疑者と関根容疑者のラブラブなツーショット写真と刺青だらけの関根容疑者…背中一面に「殿」と「姫」、腹には「鶴」の刺青が…

営業を再開したのは4店舗のみ 「できるかぎり続けていきたい」

真奈美容疑者が逮捕された27日は、世田谷区の自宅周辺もざわついていた。

「あそこのご一家なら事件後も家への出入りはありましたよ。真奈美さんも事件後も何度か見かけましたし、挨拶も普段通りにしていたんですが、今日になって警察も来て……。夕方前まで警察も家の中にいましたよ」(近くに住む女性)

近くに住む男性住民は、真奈美容疑者の顔写真を見ながらこうつぶやいた。

「写真に似た子が大型犬と小型犬を連れて散歩していたのは見かけたことあるよ。それも事件前で、事件後は見かけなくなったね。事件は知ってるよ。当時はマスコミが毎日押しかけていたから。ここ最近は見かけなくなったなと思ってたけど、また逮捕されたんだ」

被害者の宝島龍太郎さん(55)幸子さん(56)夫妻が上野の繁華街に築いた、通称「宝島ロード」はかつての栄華がウソのように様変わりしていた。

サンエイ商事系列の飲食店がひしめき合い、20店舗近くが営業していた「上野中通り商店街」を訪れると、現在営業中なのはすし店やダイニングバー、焼肉店など4店舗のみだった。取引のある不動産関係者も、真奈美容疑者逮捕の一報に困惑を隠せなかった。

「実は今日(27日)の午後3時から、真奈美さんと契約してる物件を今後どうするかの話し合いをすることになっていたんです。もともとウチは、サンエイ商事系列の飲食店が入るビルを取り扱ってたから、自分も龍太郎さんとは顔見知りでした。

でも今回の事件が起きてからは、もちろん龍太郎さんとは連絡取れないし、サンエイ商事と連絡を取ろうとも繋がらない。だから事件後もずっと営業を続けていたすし店に出向いて真奈美さんに繋いでもらったんですよ。

真奈美さんには今月の10日にようやく会えたのですが、思ったよりも元気そうだなという印象はありましたね。パートナー(関根容疑者)に両親を殺されたんだからショックで動けなくてもおかしくないのに、受け答えもしっかりしてました。

その日も契約物件の取り扱いについて方向性を話し合ったんですが、真奈美さんは『できるかぎり続けていきたい』と言ってたんです。だから今日は、もう少し話を詰めるために会う予定だったんですが、まさかこんなことになるとは。もう驚きしかないですよ」

「両親が生前から大切にしてきた店だから続けていきたい」

ダイニングバーが入居するビルの近くの飲食店関係者は、25日に真奈美容疑者と顔を合わせたところだったという。

「今日の昼ごろ従業員から『真奈美さんが逮捕された』って連絡がきたんですけど、いまだに『何かの嘘であってくれ』という気持ちですよ。

真奈美さんと最後に会ったのは、一昨日の昼ごろかな。サンエイ商事の社員らしき男性と歩いていて、信号でパッタリ会うと『お疲れさまー』って気さくに声をかけてくれたんです。

とくに変わった様子もなかったので、色々あったけど、なんとか真奈美さんも頑張ってるんだなと思っていたところだったので」

男性によると、真奈美容疑者は事件後しばらく姿を見せなかったが、6月初旬にダイニングバーが営業を再開すると連日訪れるようになっていたという。

「店が再開してからは、ほぼ毎日のように店に来て従業員たちと打ち合わせをしていました。龍太郎さんが亡くなり、(関根)誠端さんが逮捕されて代表者が真奈美さんに代わるということで、色々と話し合うことがあったんだと思います。真奈美さんには、小さなお子さんもいて育児も大変だったとも聞いています」

登記簿情報によると真奈美容疑者は両親が殺害された約1カ月後の今年5月15日にサンエイ商事の代表取締役に就任したばかりだった。真奈美容疑者は、日々やつれた様子だったという。

「事件の前よりもなんだか痩せた印象がありましたし、しきりに『疲れてる』『大変だ』と口にしていましたね。それと、事件後サンエイ系列で営業再開できたのは4店舗だけで、残りの数十店舗はビルのオーナーから営業再開を止められているとも話していました。

それでも『オーナーはダメと言ってるけど、ホルモン番長だけは、両親が生前から大切にしてきた店だから続けていきたい』と言っていたので、親孝行な人だなと思って陰ながら応援してたんですけど。まさかその真奈美さんまで逮捕されてしまって驚いたというか、ショックですね」

「140人いた従業員のうち100人は辞めました」

中国吉林省延辺朝鮮族自治州から来日、自身の名前を冠した「宝島ロード」を敷くまでに宝島夫妻が積み重ねてきた苦労は並大抵ではないだろう。特に幸子さんは、自分と瓜二つに成長した真奈美容疑者をとても可愛がっていたという。

新社長の逮捕を従業員たちはどう思うのか。27日、サンエイ商事が経営する4つの店舗には複数のメディアが。

どの店員も動揺する様子もなく記者の質問をかわし、仕事に集中していたが、ある店舗関係者が匿名を条件に重い口を開いた。

「実はここ数日間、真奈美さんから『自分も逮捕されるかもしれない』と伝えられていました。だから『ああ、やっぱりかー』って…。会社はパパとママ(宝島さん夫妻)がいたときは140人くらい従業員がいたんですが、100人は辞めました。

今残っている従業員は関根さんや真奈美さんを慕っていた人間ですから、今回の真奈美さんの逮捕報道を聞いても違和感しかない。真奈美さんは今回の事件に関わってないと我々は思っています。今の段階では真奈美さんを信じることにしています」

真奈美容疑者は残った従業員たちに何を話したのか。

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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班