事件の構図

写真拡大

 料理宅配サービスで架空の注文をした上で注文客に届けたように装い、配送料をだまし取ったとして、福岡県警は15日、ベトナム国籍の男女4人と、日本人男性の計5人を電子計算機使用詐欺容疑で逮捕したと発表した。2月までの約2年間で、フードデリバリー会社から容疑者側に配送料として数百万円が支払われており、県警は架空の注文を繰り返して利益を得たとみて調べる。

【写真で見る】社会に衝撃を与えた事件

 逮捕されたのは、福岡市博多区、飲食店経営、グエン・ティ・トゥイ(23)▽同区、飲食店従業員、高木陸(36)▽住所、職業不詳のド・ビエット・ドゥック(25)−−ら5容疑者。

 逮捕容疑は、5人は共謀して1月29日〜2月5日、フードデリバリー会社(東京)の専用アプリを介してグエン容疑者が経営する同区の飲食店に、ド容疑者らが6回にわたり料理などを注文。実際には料理を提供していないのに、配達員としてアカウントを登録する高木容疑者が配送したように装い、配送料約1万8000円をだまし取ったとしている。県警は5人の認否を明らかにしていない。

 県警によると、デリバリー会社から配達員には天候や配送した距離などによって、注文客が負担する配送料に報酬が加算されて支払われる。県警は5人がこうした加算分を目当てに、配達員にとって好条件になる時に架空の注文を繰り返したとみている。

 ベトナム国籍の4人は2018〜19年、留学や技能実習で来日。県警の警察官が24年2月、夜間のパトロール中にド容疑者を職務質問したところ、約10台のスマートフォンを所持していた。任意提出を受けて解析したところ、注文と配達双方の履歴が確認されたことから容疑が浮上したという。スマホには別の配達員のアカウントも複数登録されており、県警は余罪を追及する。【佐藤緑平】