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 アニメーション作家の鴫野彰(しぎの・あきら)さんが5月30日に死去したことが分かった。70歳。Netflixで配信中の監督作「恐竜少女ガウ子」公式SNSで伝えられ、同作を手掛ける制作会社・株式会社アセンションがスポニチアネックスの取材に応じた。

 鴫野さんはアニメーション制作大手「スタジオぴえろ」で多くの作品を手掛け、「ぴえろD.A.R」の設立に携わり初代室長を務めた。2004年、自身が代表が務めるアキラスタジオを設立。「妖怪ウォッチ」「LINE TOWN」「しまじろうのわお!」「たこやきマントマン」「遊☆戯☆王シリーズ」など、子供向けアニメの演出を多く手がけた。

 代表作に「超攻速ガルビオン」、「おそ松くん」、「ヤッターマン(リメイク版)」、「こちら葛飾区亀有公園前派出所」、「劇場版クレヨンしんちゃんシリーズ」など。「クレヨンしんちゃん」では絵コンテを初回放送「ママの朝は忙しいゾ」の1992年から担当していた。

 また、2019年から鴫野さんが原作・監督を務めるアニメ「恐竜少女ガウ子」が「Netflix」で配信を開始した。同作は、「Netflix初アジア制作キッズアニメ」として鴫野さんが挑戦。長年アニメを手掛けてきた鴫野さんが、「子どもと親が一緒に笑って楽しめるアニメの需要は少しずつ減っているように感じます。このまま時代の変化と共に消えていくかもしれません」という危機感から作ったとし、「かつてお茶の間で子どもと親が一緒に楽しんでいたアニメを今の時代にどのように生まれ変わらせることができるのか?(中略)大人になったあなたにも子どもと一緒に楽しむあなたにもちょっとクスッとしてもらえるように」と思いを込めた作品だった。

 「ガウ子」公式は、「恐竜少女ガウ子の生みの親、しぎのあきらは、5月30日に逝去致しました。告別式は親族と一部のご関係者様で執り行いました」と報告。「生前中はしぎのあきらが、皆様より格別なご厚情、ご愛顧頂き、またガウ子を愛して頂きまして誠にありがとうございました。故人に代わりましてお礼申し上げます」とした。また、アニメ制作会社・株式会社アセンションも訃報を伝えた。