サウナ室ではどこに座るのが正解?初心者におすすめのポジションは?

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宿泊施設やスーパー銭湯、街の銭湯など、サウナ目当てでなくてもサウナに入れるシーンは意外とある。興味がない、すべて素通りするという人もいるかもしれないが、せっかくだから入ってみようとトライしたことがある人も多いかもしれない。では、サウナ室に入ったとき、どこに座るのがいいのか。ベストポジションはどう見つけるのか考えてみる。

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サウナ室でどこに座ったらいいか迷ったことはありませんか?


サウナ初心者は下の段の真ん中に座ろう

最上段の壁際はサウナ室で最も温度が高くなる位置だ


スーパー銭湯などの収容人数が多めのサウナ室で時々見かけるのが、入ったときに空いている場所に座るタイプの人。土日などでサウナ室が混んでいて座れるスペースが限られる、そんなとき、空いているというだけで最上段の端に座るのはおすすめしない。

温度は1段で10度も変わる!


一般的によくあるドライサウナで考えてみる。多くのサウナ室はひな壇状になっているが、このひな壇がくせ者。一般的に、サウナでは1段で温度が10度違うと言われている。椅子に座るように腰掛けた場合に、頭の位置を80度とすると、座っている位置が70度、足のある位置が60度となるので、頭と足でもかなりの温度差が。

下段でも遠赤外線ストーブの近くは避けよう


熱い空気は上にいく性質があるので、初心者や熱さが苦手な人には下段がおすすめだ。サウナ室の温度計はたいてい壁の上のほうに設置されているので、温度計が示すのは上段(に近い場所)の温度ということになる。そこから下にいくほど温度も下がるので、1段で10度を目安にして座る場所を選ぼう。サウナ好きな上級者でも、じっくり長くサウナを楽しみたいという理由で下段を好む人もいる。ただし、遠赤外線ストーブの場合、正面はダイレクトに熱さを感じるため、下段であっても避けたほうがいい。ストーブの前は熱いだけでなく乾燥にも注意したいところ。

ロウリュをすると蒸気が上から降り注ぎ、ぐっと熱さを感じる


最近増えてきたサウナストーンを積んだストーブの場合はどうか。こちらも熱の伝わり方こそ違うが、やはり上段のほうが熱くなる。サウナストーンに水をかけて蒸気を発生させるロウリュができる場合は、熱い蒸気が上から“降り注ぐ”ように体を包み込むので、さらに熱く感じる。慣れていない人はやはり下段に座るほうがいい。ロウリュ初体験という人もどの程度熱いと感じるかわからないので、無理だと思ったときにすぐに退室できるという意味でも下段にいるほうが賢明かもしれない。

熱くなった壁からも熱気が伝わるので、端っこは意外と熱い


もうひとつ気をつけたいのが壁際。慣れていないと中央に陣取るのに気が引けるのか、隅のほうに行きがち。先に述べた、空いているところを選んでうっかり上段に座ってしまうのと似ている。だが、壁際は熱くなった壁からの熱も浴びる形となり、実は上級者向け。サウナ室の広さや造りにもよるが、できれば避けたほうがいい場所だ。ちなみに、座面や壁、柱などにも熱が伝わるため、不用意に壁などに手を触れると熱くてびっくりすることがある。座面もサウナマットが敷いてある場所からずれると、思った以上に熱くなっていることがあるので気をつけよう。

サウナ室に入る前に体を温めておくのがポイント

ただし、下段はなかなか体が温まりにくいことも


座る場所は、まずは下段。そこで様子を見るのがいい。これは初心者に限らず、慣れた人でも最初から上段のアツアツに身を置くのではなく、その日の体調や外気との温度差もあるので下のほうから様子を見るほうが安心だ。ただ、温度が低めの下段ではなかなか温まりにくいとも言える。サウナ室に長く入れないという人が下段に座って短時間で出てしまうと、結局体が温まらないので汗をかかなかったり、水風呂が冷たくて苦手意識が強くなったりしてしまう。

サウナ室に入る前に湯舟につかって体をあたためておこう


ということで、サウナ室に入る前に湯舟に入って少し体を温めておくのがおすすめ。これを“下茹で”や“湯通し”などというが、先に体を温めておくことで汗をかきやすくする。サウナは高温だが、表面が熱く感じても体の芯まで温まっていないことが多く、サウナで汗をかきにくいという人はこのタイプだと考えられる。ということで、先に湯に入って体を温めておくことから始めよう。

■姿勢は「あぐら」か「体育座り」がベスト

「あぐら」か「体育座り」で頭と足先の位置を近づけるのがポイント


そしてサウナ室での座り方。基本は椅子に腰かけるように座るのが一般的。だが、これだと頭の部分と足先では高低差=温度差がかなり開いてしまうため、全身を同じように温めることができない。頭と足の高低差を小さくするには、あぐらか膝をかかえる姿勢、つまり体育座りがおすすめだ。

背筋を伸ばしてゆっくり呼吸をしよう


これらの姿勢の場合、背中が丸まった状態になりがちだが、背筋はなるべく伸ばしたほうがいい。背中を丸めてしまうと内臓が圧迫されて呼吸がしづらくなったり、骨盤に負担がかかったりしてよろしくない。なるべく姿勢を正して、ゆっくり呼吸をしながら入るようにしよう。

混んでいるときはあぐらや体育座りはNG!


ただ、あぐらや体育座りは場所を取ってしまうという注意点も。あぐらは横幅をとるため混んでいるときにはNG。体育座りは横幅こそとらないが、奥行きが必要になるので、奥行があまりない座面の場合、体育座りがしにくかったり、上下に座っている人に足や背中が当たって迷惑をかけたりすることも。そして、地味に失敗しがちなのが目をつぶったり、タオルで顔をおおっていたりして、周囲を見ずにあぐらをかいていると、いつの間にかサウナ室が混んでいて自分が“おじゃま”状態になっているなんてことも。サウナ室では混雑状況に合わせて姿勢を変えるようにしよう。

■そのほかに知っておきたいポイント

タオルで頭や口元を覆って熱から守ろう


また、サウナ室ではタオルで頭や口元を覆うのもおすすめ。高温の空気を吸い込むと口や鼻の粘膜にダイレクトに当たって熱い、息苦しいと感じやすい。サウナ室をよく見ると、ベテラン?ぽい人たちが顔や口元をタオルで覆っている姿を見かけることがある。これは初心者にこそおすすめで、タオルで口元を覆うと、この熱さや息苦しさを緩和できる。タオルは濡らしてもいい。サウナハットを使うのも、同じく頭を熱から守るため。サウナハットがなければタオルで頭を覆えばOKだ。

汗を飛ばさないように注意したい


もうひとつ、サウナ室では汗に気をつけたい。手で体をなでるようにして汗を拭うと、悪意はなくても汗を飛ばしてしまうことがある。また、座席から降りるときに勢いよく立ち上がると、汗が飛んでしまうことも。わざとでなくても人の汗が飛んでくるといい気はしない。逆の立場で考えて、汗には十分注意しよう。

座る場所を変えながら、自分のベストポジションを探してみて


サウナ室でどこに座るか、どんな姿勢で座るかで、サウナの感じ方は変わる。下段のなるべく中央から始めて、少しずつ場所を変えながら自分にとって心地いい位置を探るのもサウナの楽しみ方のひとつ。施設によってサウナの熱源にも違いがあり、換気口の位置やストーブの位置、サウナ室の広さ、人数などによっても体感温度は異なるので、その違いも含め楽しむつもりでサウナに入ってみるのもいい。一番は一度入っただけで「サウナは熱いから無理」と決めつけないこと。何度かサウナに入って自分のベストポジションを見つけ、しっかり汗をかくようになるとサウナがグッと楽しくなるはずだ。

取材・文=岡部礼子

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