3月に民事再生法の適用を申請したタクシー業の茨木高槻交通(大阪)など8社、事業譲渡実行も公租公課の滞納解消できず破産手続きへ移行
「関西中央グループ」としてタクシー事業を展開していた
2024年3月11日に大阪地裁へ民事再生法の適用を申請していた茨木高槻交通(株)(TDB企業コード:580208595、資本金2000万円、大阪府茨木市中河原町4-1、代表郄月勝守氏ほか1名)などグループ8社は、4月30日に同地裁より再生手続き廃止決定を受けた。今後、破産手続きへ移行する。保全管理人には、監督委員であった石井教文弁護士(大阪西総合法律事務所、大阪府大阪市中央区高麗橋4-4-9淀屋橋ダイビル2階、電話06-6208-8771)が選任されている。
その後、グループ会社を営業区域ごとに分社化するほか、高槻市での事業をグループ会社に譲渡するなど再編を実施。5000円超過分は5割引きになる遠距離割引(55割)を導入するなど、大阪都心部からの深夜帯の旅客需要を獲得し、JRや阪急電鉄の沿線各駅と公共交通アクセスの弱い住宅地や事務所、病院などを結び、市民の足としても重宝されていた。
新型コロナ、2024年問題にも翻弄されていた
しかし、2020年以降の新型コロナウイルス感染拡大に伴う外出自粛要請などの影響で収入が激減。2020年9月に法人向けの送迎などを行っていたバス事業を終了したことに加え、新型コロナの5類移行後もタクシー需要の回復は鈍く、2023年7月期(決算期変更)の年収入高は約5億3000万円にとどまっていた。また、燃料価格高騰による採算悪化のほか、ドライバーの高齢化といった経営課題にも直面。2024年問題に伴う人件費高騰が危惧されるなど、経営の抜本的再建を求められる状態が続くなか、2024年3月11日に民事再生法の適用を申請。同月25日に再生手続き開始決定を受けていた。
その後、茨木高槻交通(株)をはじめとするグループ各社の事業を他社に譲渡したものの、譲渡対価をもって滞納していた社会保険料などの公租公課を完済できず、破産手続きへ移行することとなった。
負債は、茨木高槻交通(株)が約62億6100万円、グループ8社で計約92億3100万円(いずれも2023年7月決算時点)。
