生成AIを活かした児童・生徒の記述評価支援システムの構築と検証を実施 学芸大とカナメが成果報告会を共催
●文部科学省の事業
今回の事業は文部科学省の事業となっており、「児童生徒1人1台端末環境と高速大容量の通信ネットワーク環境を最大限に生かし、初等中等教育が抱えている重要課題に対し、先端技術や教育データを効果的に利活用することによって解決・改善を図る取組について、教育現場と企業・研究機関等との協働による実証等を行う」ことが実施の趣旨となっている。

実証研究課題名
児童・生徒の記述に対する教員の総合的な評価を、生成系AI技術を活用した分析・数値化によって支援するシステムの構築と検証
実施期間
2023年年7月3日~2024年3月31日
実証校
東京学芸大学 附属竹早中学校
(1クラス35人×4=約140名(2年生))
目的
生成系AIを現場の教員が活用することによって、教育へのAI活用に対する示唆を得ること
OpenAI社が提供するGPT-4のAPIを利用して、現場の教員が実際に用いた記述問題の回答を生成系AIが処理し、参考値としての分析結果を算出するような支援のシステムを構築。その上で、以下の3点について検証を進めた。
1:児童生徒の記述を教員が決定した評価の観点に従って点数評価し、総評を提示するAIの仕組みの開発とその妥当性の検証:
2:AIによる記述問題の点数付けと、教員評価、テスト等の評価を分析することにより、どのようにAI分析の結果を提示すれば教員の支援となるのかの検証:
3:記述の評価システムを応用し、発表や話し合いなど授業中のグループ対話の音声データをテキスト化したデータについても、AI分析の対象とした仕組みの開発とその妥当性(対話内容から非認知能力を見取ることの可能性)の検証:
●生成AIのレベルの有効性を確認
児童生徒の記述と教員の評価基準(ルーブリック等)を入力することで、生成AIにより記述の観点毎の点数、記述に対しての観点毎のフィードバックを生成できること、それが教員が評価・評定をする際の参考とできるレベルにあることを今回の実践検証で導き出せた。
ただし、AIの活用が即教員の負担の軽減となったり、教員の代わりになるということはなく、今後、下記のような観点で、その成果の実装、応用化を目指しつつ、子どもたちの学びの深化のために、どう活用するのがよいか熟議が必要だと考えられる。
●教員による活用
・教員の記述の評価・評定を行うときの支援
・教員の記述の評価力向上のための支援
・教科横断の記述、対話の分析による児童生徒の非認知能力等の傾向の評価支援
・教員自身の評価に対する考え方(評価の質の向上、評価のブレの抑止、評価観の変化、等)
●児童生徒による活用
・学習のリフレクション支援
・個性化した学び支援
