よっしゃー単発4-1

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【第1話】から読む

前回からの続き。私はユキエ。息子のケイは小5。2年前から地元のサッカークラブに通っています。最近サッカー練習の付き添いを夫に任せていたのですが、久しぶりに私が行くと、なぜか周囲のママがよそよそしいような……。聞けばシュンくんが怪我をしたと聞き、ケイに試合出場のチャンスが回ってきたと思った夫が「よっしゃ!」とガッツポーズしたというではないですか。しかもシュンくんママの目の前で! なんて失礼なことをしたのでしょう。



私は試合を見ながら、ちらちらと客席を見渡します。すると……いました、シュンくんママが。少し遅れてきたようで、ひとり端にポツンと座っています。すぐに夫婦で謝罪をしたところ……シュンくんママは大人の礼儀として「気にしていない」と言ってくれました。しかし、きっと夫の発言でかなりイヤな思いをしたはずです。しばらく謝罪がなかったことも気にしていたのでしょう。私たちが謝った後、少しだけ表情が柔らかくなりました。しかし……。



「そりゃよかったです! それじゃ、後半も元気に応援しましょう!」

……は!? 夫は「大丈夫です」というシュンくんママの言葉を額面通りに受け取ったのか、明るく「じゃ!」と手を挙げて去っていきました。(「じゃ!」じゃないよ! ここからさらに謝るとかさぁ……怪我のフォローのトークをするとか……何でまた明るく去っていくのよ! 空気読んでよ……!)シュンくんママも少しあっけにとられている様子。私は涙目になりながら、あらためて頭を下げます。「本当にごめんなさい!」



シュンくんママと私の間にちょっと柔らかい空気が流れました。シュンくんママも、夫と私を避けることでチームの雰囲気を変えてしまった罪悪感があったようです。謝罪があったことで逆に救われた、と教えてくれました。しかし夫のしたことは許されません。またこんなことにならないよう、しっかりと念をおし、サッカークラブへの介入はしばらく禁止としました。

その後……シュンくんはケガの様子を見ながら、少しずつ練習に顔を出すようになりました。ケイはシュンくんのサポートをしたり、一緒に話したりしています。ケイとシュンくんが語り合ったり、笑い合ったりしている姿を見て、試合に出る出ないを意識して騒いでいたのは夫だけだったのだと気付かされました。子どもたちは純粋にサッカーに打ち込み、そしてチームメイト同士で支え合っています。その清々しいスポーツマンシップに心が洗われました。これからは「主役は子どもたち」であることを忘れないようにしたいです。

原案・ママスタコミュニティ 脚本・大島さくら 作画・んぎまむ