OpenAIが2024年2月6日、画像生成AIの「DALL-E 3」で生成された画像に対し、技術標準のCoalition for Content Provenance and Authenticity(C2PA)に基づく電子透かしをメタデータに埋め込む方針であることを発表しました。これにより、人間によって作成されたコンテンツなのか、AIが生成したコンテンツなのかの識別が容易になるとされています。

C2PA in DALL·E 3 | OpenAI Help Center

https://help.openai.com/en/articles/8912793-c2pa-in-dall-e-3



OpenAI is adding new watermarks to DALL-E 3 - The Verge

https://www.theverge.com/2024/2/6/24063954/ai-watermarks-dalle3-openai-content-credentials

C2PAとは、出版社や企業などが画像に対しメタデータを埋め込むことで、画像の情報源や関連情報を確認できるようにする技術標準です。C2PAはAIが生成した画像の識別だけでなく、カメラメーカーや報道機関などでも、コンテンツの出どころや編集履歴を証明するために採用されています。

2024年2月12日までにOpenAIは、DALL-E 3を統合したChatGPTやDALL-E 3のAPIを利用して生成された画像のメタデータにC2PAを追加します。この機能は全てのユーザーに対して行われるとのこと。

透かしを埋め込まれた画像には、メタデータにC2PAが追加されるほか、画像の左上隅にAIが生成したことを示す日付などが表示されるようになります。また、OpenAIが提供するContent Credentials Verifyを利用することで、画像の生成に使ったツールや生成された正確な日付などを確認することが可能です。



DALL-E3を統合したChatGPTで画像の生成を行った場合、DALL-E 3で生成した際のメタデータと、その画像をChatGPTでユーザーに示した際のメタデータという2種類のメタデータが作成されます。

以下は画像がDALL-E 3で生成されたことを示すメタデータ。



ChatGPTでユーザーに提示されたことを示すメタデータ。



OpenAIによると、C2PAを採用することで画像のファイルサイズは増加するものの、レイテンシーや画像生成の品質にはほとんど影響がないとのこと。

一方でOpenAIは「C2PAのようなメタデータは、生成した画像のスクリーンショットを撮るなどのアクションを行うことで簡単に取り外すことが可能であるため、C2PAがAI生成画像に関する問題の特効薬となるわけではありません。それでも、これらの方法を採用することが、デジタル情報の信頼性を高めるための鍵になると信じています」と述べています。