シニア期に差し掛かり、ライフスタイルやお金の使い方が変化したというかたも多いのではないでしょうか。不安要素が出てきたとき、お金をきちんと管理すれば暮らしの傾向が分かり、不安への対処もできるようになるかもしれません。ここでは、家事アドバイザーの山崎美津江さんに、空間の整え方やお金の使い方を教えてもらいました。

山崎美津江さんの「崎」は、正しくは「たつさき」 

【写真】靴はお気に入りアキレスのソルボばかり

自分と家族の「居場所」を快適に整える

どこにいても、自分の空間は大事。

「とくにシニア期に差しかかったら、夫は夫の、妻は妻の空間を大事にしなくちゃ。それをいかに快適に整理できるかによって、考え方も整理できるはず」(山崎美津江さん、以下同)

住まいの空間を意識することから暮らしを見つめています。

面の部分はなるべくクリアに! キッチンのカウンターや調理台の上も、すべて片づけるのが基本です。

家族には居場所が必要。快適な空間を常に模索

夫の楽しみは、好きな数学の本と良質な音楽。だから、オーディオのある日当たりのよいリビングの一角が今の居場所です。

山崎さんは仕事をしたり、趣味のギターを楽しむ家事室がお気に入り。「家族の空間は、そのときどきで変えながら暮らせばいいんです」。

床を広く、自由に。それが「暮らしを自由にする」コツ

「床が広い=自由だということ」。余白があれば、暮らしの変化に合わせてアレンジできるし掃除もラク。

「トイレの床になにも置かなくていいように、予備のトイレットペーパーも掃除ブラシも、タンクに取りつけるタイプにしました」

お金の使い方はものの選び方。金額以上に価値高く使う!

お金を使うとは、ものやサービスを選び、手に入れるということ。「なにを手に入れたか」=「お金をどう使ったか」になります。「価値は人それぞれ。せっかく手に入れたのなら、費やした金額よりも価値高く使わないと、もったいないですよね」

●高いものも安いものも「ものは価値高く使う」

「ものの選び方は、そのまま“お金の使い方”。この値段ならいいか、という程度で買うと愛着がもてないことがあったり、はたまた100円ショップの商品でも大活躍してくれて、すごく気に入ったり。いくらで買っても、金額以上に価値ある使い方をしたいですね」

靴はお気に入りアキレスのソルボばかり。「自分の足に合っていて履きやすく疲れない靴。それを見つけたら、しめたもの! あとは色違いで持てばいいんです」

1:北欧の陶磁器ブランド、ケーラーの食器。プレーンなデザインで、料理を選びません。

2:英国製の懐中時計スタンドは1万5000円ほど。夫の古い時計がすてきなインテリアに。

3:レデッカーの卓上ホウキ・チリトリセットは8000円ほどで購入。小さなホウキがマグネットでチリトリにピタッと収まります。

4:100円ショップで見つけたプラスチックの仕切り板。冷蔵庫や引き出し、箱の中で大活躍。

5:数学好きの夫にプレゼントしたら大喜びした「数式アート」は各1500円ほど。

6.:牛乳パックでつくる仕切りはコスト0円。どんな細かいものも整理できる、金額では測れない高価値なものです。

数式を図式化して、ペーパークラフトで表現したもの。小さいけど気の利いたギフトになりました。

似合う色を知っていればワードローブの管理もラク

パーソナルカラー診断を受けてから洋服選びがスムーズになったという山崎さん。「コーディネートに悩むことも、余分に持つ必要もなくなりました」 。ワードローブはシワになりにくくて旅行にも便利なイッセイ ミヤケの「ミー イッセイ ミヤケ」や、山形県のリネンブランド「ケンランド」が多いそう。無駄買いがなくなったので、選りすぐった上質なものばかりに。

顔回りを彩るスカーフも、パーソナルカラーに合わせて。牛乳パックの仕切りが大活躍。