小さな子どもがいる家庭では、どうしてもリビングが散らかりがちに。6年前に小さな家を建てた、日刊住まいライターの参考事例を紹介します。オモチャの派手な色を隠すために、テレビボードの下にバスケットに入れて収納。加えて、インテリア映えするキャビネットで管理することで、すっきりとしたリビングをキープ。さらにリビングを遊び場にすることで、うれしいメリットも感じています。

キッズスペースのない間取り。リビングが子どもの遊び場

わが家は夫と2歳の娘の3人家族。6年前、地元工務店で注文住宅を建てました。1階は15畳ほどのLDK(リビングは実質6畳)と水回り、2階は寝室や子ども部屋といった、シンプルな間取りです。

設計当時はまだ夫婦ふたり。子どもは1人欲しいと思っていたため、家族が増えることは想定していました。しかし子どもがいる生活の具体的なイメージまではしておらず…。

家づくりでは、よく雑誌やSNSなどで見かける「キッズスペース」のような空間は、とくに間取りの要望に入れませんでした。

しかし、いざ子どもが生まれてみると、予想以上に増えるオモチャ。そこで、リビングのインテリアの雰囲気を壊さず、かつ子どもが楽しく遊べるようにしようと考えたのです。

 

オモチャが散らからない&片づく仕組みをつくる!

まずはテレビボードをオモチャ収納として活用。造作したテレビボードには、無印良品の「重なるブリ材角型バスケット・中」(サイズ約幅35×奥行き37×高さ16cm、税込み1990円)が高さ、奥行きともにシンデレラフィット。取っ手があるので、引き出しのように並べることができます。

 

編まれたブリ材がほどよく目隠しとなり、原色の派手なオモチャの色を隠すのにぴったり。インテリアの雰囲気を壊すことなく、テレビボードともなじんでいます。

オモチャ1種類につき1つの収納を意識することで、子どもも取り出しやすく、片づけやすいようです。散らかってもすぐに片づけられるよう、中はざっくりとしか整理していません。

オモチャ専用の家具は買わずキャビネットを設置!

写真のキャビネットも、子どものオモチャ収納として活用しています。子どもが生まれてから購入したものです。将来さまざまな使い方ができるよう、オモチャ収納専用の家具は購入しませんでした。

 

キャビネットはもともと25cmほどの脚がついていました。大人の腰ほどの高さがあったので、その脚を外して置いています。これでキャビネットの上にも、よく使う人形を見せる収納で片づけられるようになりました。

ちなみにキャビネットの中には、使う頻度は少ないものの捨てられないオモチャや、子どもが保育園でつくってきた作品などを保管しています。

オモチャは油断するとあっという間に増えるので、定期的に見直して、処分したり入れ替えたりしています。そうすることで、リビングにあふれ出すこともなく、見た目にもすっきり。

子どももオモチャを整列させるのが楽しいのか、自然に自分で定位置に戻すようになりました。

住んでみてわかった子ども中心のリビングのメリット

リビングで子どもが遊ぶには十分なスペースと、安全や床のキズに配慮したプレイマットが必要です。そこでわが家では、折りたためるプレイマットを導入してみました。

子どもが遊ぶときは広げて、形状を変えればソファ代わりにも。マットを上げるだけでいいので、床掃除もラクに行えます。

家族みんなで遊んで、疲れたらゴロ寝することも。リビングにオモチャを収納することで子ども中心の生活となり、家族でコミュニケーションをとれる時間が増えました。

また一緒に片づけているうちに習慣が身についたようで、「片づけて!」と言わなくても子どもが自主的に片づけてくれるようになったのは、大きなメリットに感じています。

子どもがいる暮らしには、和室やキッズスペースが必須という考え方もあります。しかし、筆者の場合、収納の工夫でインテリアの雰囲気を保ったまま、リビングに子どもにとっても過ごしやすい空間がつくれました。

将来、子どもが大きくなって、リビングにオモチャを置く必要がなくなったら、自分好みの空間にするも楽しみです。