1月31日、自民党の杉田水脈衆院議員(比例中国ブロック)の資金管理団体「杉田水脈なでしこの会」は、安倍派(清和政策研究会)から寄付された計1564万円が不記載だったとして政治資金収支報告書の訂正を兵庫県選挙管理委員会に届けた。同日、共同通信が報じた。

 報道によると記載漏れは以下のとおり。

2018年 340万円
2019年 352万円
2020年 318万円
2022年 554万円

 2018、2019年分は収支報告書の保存期限が過ぎており、県公報の記載を訂正したという。

 杉田氏は1月21日、自身のブログで、「安倍派も解散へ」という速報を見て、《泣きました》としたうえで、《私の事務所においても不記載があったことがわかり、派閥の指示に従って、収支報告書の修正を行う予定》と記していた。

 また、《政治活動に支出しており、不正や私的流用は全くありません。しかし、派閥の指導に従ったとはいえ、記載していなかったことについて、また、そのことを認識していなかったことについて、誠に申し訳なく思っています》とする一方で、不記載額については明らかにしていなかった。

「2023年11月、杉田氏は保守系雑誌のYouTube番組に出演。アイヌ関連事業に公金不正流用疑惑があるとの見方に同調したうえで、『公金チューチュー』と揶揄していました。

『公金チューチュー』はネット用語で、弱者救済や差別対策を掲げる支援団体などが補助金や活動助成金などを、必要以上に得ていたり、不正に近い方法で取得したりしているとして、揶揄する言葉です。

 さらに杉田氏は、2022年12月、総務政務官を辞任したことについて、『アイヌ政策検討市民会議』から直接謝罪を求められたのがきっかけだったと説明。『こんな団体に謝罪するぐらいだったら、私は政務官をやめます(と伝えた)』とし、『政務官を辞めたいちばんの直接原因』と振り返っていました」(政治担当記者)

 杉田氏に、計1564万円の不記載が会ったことが報じられると、SNSでは杉田氏が発した《公金チューチュー》の言葉が、ブーメランとなって飛び交った。

《アイヌ文化振興事業の関係者を根拠なく「公金チューチュー」と誹謗中傷した杉田水脈議員ですが、自身は「裏金チューチュー」だったという話ですね》

《裏金脱税って公金チューチューですよね、杉田水脈議員?》

《「公金チューチュー」はどちらでしょう》

 計1564万円もの不記載を訂正後、杉田氏は、「公金チューチュー」という言葉を再び発することができるだろうか。