家づくりでタンクレスのトイレを選ぶか、ありにしてコストを抑えるかは、悩ましい問題です。6年前に注文住宅を建てた日刊住まいライターは、1階と2階のトイレをタンクレスに。そのうえ、手洗いの排水パイプを浮かせることで、掃除がラクになり満足しています。居心地のいいトイレにするための工夫をレポート。

悩んだ末、1階も2階もタンクレストイレに

筆者は夫と2歳になる娘の3人家族。6年前に地元工務店で、延床面積26坪のコンパクトな家を建てました。1階にLDKと水回り、2階に寝室や子ども部屋をまとめた間取りです。

計画時は夫婦ふたり暮らしでしたが、将来のことも考えトイレは、各階に1つずつ設けることに。スペースは各階とも1畳ほどの広さを確保しました。

1階のトイレは家族だけでなく、来客も使うことも想定。見た目のおしゃれさと清潔さを維持したいと、タンクレストイレを採用。

2階のトイレについては、当初、減額調整の関係でタンクありを採用する予定でした。しかし、「ズボラでこまめな手入れができそうにない…」「せっかくなら家族のくつろぎの空間を目指そう」と、思いきってこちらもタンクレストイレに。

住んで6年。この選択をしてよかったと感じています。その理由を紹介します。

タンクがないことで、トイレ掃除のストレスが激減

じつは1階も2階もタンクレストイレにした理由は、もうひとつあります。それは掃除の手間をできるだけ軽減したいということ。

それまで住んでいた家では、タンクありのトイレを使っていました。しかし、タンクと便器の間にできたすき間にホコリがたまりやすく、掃除するにも手が届きづらいのがストレスでした。また、タンク内に発生するピンク色のカビにも悩まされていました。

その点、タンクレストイレは、文字どおりタンクがないので、便器部分とのすき間がありません。ホコリや汚れがたまりにくいので、掃除が大変だったストレスを解消してくれました。それだけでなく、以前のトイレで悩まされていた、タンク内のピンク色のカビを、気にする必要もなくなりました。

 

手洗い場の下の収納はなし!すっきり&掃除がしやすい

タンクレストイレにしたので、どちらのトイレにも手洗い場を設置しました。じつはこの手洗い場にもこだわりが。

一般的なユニットタイプのものではなく、洗面ボウルとカウンターを自由に組み合わせることができる、ベッセルタイプを採用。見た目もおしゃれで気に入っています。このカウンターの下には、収納をつけないことでコストの削減にもなりました。

排水パイプは、床まで配管をつなげなくていいボトルトラップを採用。すっきりしていて、おしゃれに見える点が気に入っています。

排水パイプを壁づけにしたことで、床回りもすっきり。洗面ボウルは掃除する必要がありますが、トイレ掃除のハードルがグンと下がりました。今では洗面所の掃除ついでや、気になったときに、サッとふく程度できれいに。

それ以外にも、ドアをあければすぐの場所に手洗い場をつくったことで、想定していなかったうれしいことが。たとえば2階のトイレは、寝室が近いので、加湿器の水の補充がスムーズにできています。また、子どものお世話で手が汚れ、洗いたいときなどにも活躍してくれています。

掃除のしやすさ以外に、収納やインテリアにも工夫

掃除のしやすさだけでなく、収納やインテリアにもこだわりました。

1階、2階とも、手洗い場の下に収納を設けない代わりに、トイレ上部に棚を設置。棚は筆者の身長と同じ160cmの高さに指定し、背伸びしなくても手がものに届くようにしています。

1階は、来客も使うことを意識してカフェっぽい内装に。2階(上の写真)は、くつろぎを重視して、片方の壁一面に長いカウンターを設けました。本やスマホを持ち込んで、ゆっくり過ごしたいときに活躍しています。

トイレは減額調整できるポイントとして考えていましたが、毎日の快適さを考えると、こだわって大正解でした。プライベート空間だからこそ、いつも清潔を保てる、お気に入りの空間をつくることが大切なのかもしれません。