全日本選手権で優勝した宇野昌磨(左)、坂本花織【写真:矢口亨】

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日本スケート連盟が3月の世界選手権代表を発表

 日本スケート連盟は24日、来年3月に行われるフィギュアスケート世界選手権(カナダ・モントリオール)などの代表選手を発表した。最終選考会を兼ね、この日まで行われた全日本選手権(長野・ビッグハット)で優勝した男子の宇野昌磨、女子の坂本花織らが選ばれた。男子の三浦佳生、女子の千葉百音、吉田陽菜らが初出場。アイスダンスは異例の「保留」となった。

 世界選手権の代表には、全日本男子で優勝した宇野のほか鍵山優真と三浦、女子は坂本、千葉、吉田のそれぞれ3選手が選ばれた。ペアは今大会欠場している三浦璃来、木原龍一組と、ミニマムスコア取得を条件に長岡柚奈、森口澄士組も選ばれた。アイスダンスは異例の「保留」という判断になった。

 竹内強化部長はアイスダンスについて「非常に各選手の競技力が拮抗している。リズムダンスでトップの組、フリーダンスでトップの組、最終でトップの組、それぞれ違う組が1位になった。フィギュア強化部会、およびフィギュア委員会、選考委員会の全てで議論を重ねたが、結果として現状の選考基準の中では保留という形になった。1月の理事会で新たな選考方法が提案されるという形で審議される」と説明した。

 今大会ではリズムダンスで田中梓沙&西山真瑚組(オリエンタルバイオ)が首位、フリーダンスで吉田唄菜&森田真沙也組(木下アカデミー)が首位だったが、総合では小松原美里、尊組(倉敷FSC)がトップとなり、優勝した。理事会は3組が代表に選ばれた四大陸選手権の前に開催される。四大陸選手権の結果を待つか否かなどについても、今後議論される形になる。

男女の3枠目は「競技力の高さ」に注目…木原&三浦ペアは回復の見込み

 男子シングルについては宇野、鍵山が順当に選ばれ、3枠目はワールドスタンディングやシーズンワールドランキング、総合得点の平均などから「競技力の高さ」について議論。全日本3位の山本草太ではなく、同4位でグランプリ(GP)ファイナルに出場した三浦を選出した。

 女子シングルは全日本優勝の坂本、同2位の千葉が選ばれ、男子と同じく3枠目は「競技力」に注目。同3位の15歳・島田麻央は年齢が満たされていないので選考外となり、同7位でGPシリーズ中国杯で優勝するなど今季結果を出してきた吉田を3枠目に選んだ。

 男子の3枠目について、竹内強化部長は「最も考慮したのは総合的に競技力がどちらが高いのか。全日本では山本選手の方が上だったが、総合して見た場合、三浦選手の方が高いということで推薦した」と選出理由について言及した。

 吉田が選ばれた女子の3枠目についても議論はあったそうで、「現状の選考基準で挙げられている中で見たときに、競技力は誰が高いのかということ」と説明。2026年のミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けて「チームジャパンとして総合的に強化」する視点などもあったと語った。

 ペアについては2組を選出。三浦、木原組は木原の腰椎分離症が完治していないため全日本欠場となったが、四大陸選手権とあわせて代表入り。竹内強化部長は「治療状況について把握しており、四大陸選手権の時点では十分回復すると確認の上で選考している」と説明。長岡、森口組については「1月末に行われるババリアンオープンにてミニマムポイントを獲得した場合、世界選手権2枠目の選考とする」とした。

世界選手権&四大陸選手権&世界ジュニア代表選手一覧

 発表された代表選手は次の通り。

■世界選手権

男子:宇野昌磨、鍵山優真、三浦佳生(補欠:山本草太、佐藤駿、友野一希)
女子:坂本花織、千葉百音、吉田陽菜(補欠:三原舞依、渡辺倫果、住吉りをん)
ペア:三浦璃来&木原龍一、長岡柚奈&森口澄士(※ミニマムスコア取得が条件)
アイスダンス:保留

■四大陸選手権

男子:鍵山優真、山本草太、佐藤駿(補欠:友野一希、壷井達也、吉岡希)
女子:千葉百音、三原舞依、渡辺倫果(補欠:吉田陽菜、青木祐奈、住吉りをん)
ペア:三浦璃来&木原龍一
アイスダンス:小松原美里&小松原尊、田中梓沙&西山真瑚、吉田唄菜&森田真沙也

■世界ジュニア選手権

男子:中村俊介、中田瑠士、垣内珀流(補欠:蛯原大弥、田内誠悟)
女子:島田麻央、上薗恋奈、櫛田育良(補欠:高木謠、柴山歩)
ペア:清水咲衣&本田ルーカス剛史(※ミニマムスコア取得が条件)
アイスダンス:岸本彩良&田村篤彦(補欠:山下珂歩、永田裕人 ※ミニマムスコア取得が条件)

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)