表彰台で宇野とハグを交わす鍵山優真【写真:矢口亨】

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フィギュアスケート全日本選手権・男子フリー

 フィギュアスケートの全日本選手権(長野・ビッグハット)は23日、男子フリー(FS)が行われ、ショートプログラム(SP)3位の鍵山優真(オリエンタルバイオ)が198.16点、合計292.10点で2位となった。ジャンプ全てに成功する圧巻の演技だったが後半、ステップシークエンスで躓いた。「ほとんど足に力が入らなかった。もっともっと伸ばせる部分」と体力面に伸びしろを感じた様子。年内最後の大会を終え「良いプログラムを作り上げたい」と成長を誓った。

 最終グループは会心の演技にガッツポーズを見せる選手が続出。鍵山もその一人だった。両手を天に突き上げてフィニッシュ。その直後に右手を振り下ろし、拍手喝采を浴びた。「独特の緊張感に負けない演技ができたのかな」。FSの198.16点は1位。総合では宇野に届かなかったが、試合後の取材で最初にこう口にした。

「まだ整理ができていないので簡単なことしか言えないけれど、一言でいうとすれば『嬉しいけど悔しくて、悔しいけど嬉しい』という感じです」

 冒頭の4回転サルコーを鮮やかに決め、GOEは4.30という高評価を得た。ジャンプ全てを揃えるなど観客を惹きこむ演技で、このまま完璧にフィニッシュを迎えるかと思われた終盤、ステップシークエンスで躓いた。「うわっ、やってしまった」。焦ったが、ミスが出ると遅れてしまうプログラム。冷静さを保って立て直した。

 最初からフルスロットルの演技。足に力が残っていなかった。「ここからこのステップやるのか……という気持ちだった。全力でやっていたので、気づいたら体力がなくなっていた。もっともっと伸ばせる部分だと思う」。20歳はまだまだ成長中だ。

 来年3月の世界選手権も視野に、4回転ジャンプを増やした構成への変更を考えている。「4回転を増やすと振り付けも多分変わるので、ブラッシュアップしながら皆で良いプログラムを作り上げたい」と意欲的だった。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)