安倍政権の“やりたい放題”と戦った女性記者が忖度なしの言いたい放題！日刊ゲンダイ以外のメディアは萎縮している？
『安倍晋三 VS. 日刊ゲンダイ 「強権政治」との10年戦争』が朝日新聞出版から発売中の日刊ゲンダイ記者、小塚かおるさんが11月10日の大竹まことゴールデンラジオに出演。安倍・元総理と報道について振り返った。
大竹「日刊ゲンダイといえば、安倍・元総理が「きょう夕方、帰りに『日刊ゲンダイ』でも読んでみてくださいよ。これが萎縮している姿ですか」と、衆議院予算委員会で発言したんですよね。」
小塚「世の中のメディアが全部萎縮してるんじゃないですかって質問に対して、安倍さんが「そんなことありませんよ。日刊ゲンダイ見てください」って言ったんです。これってすごい裏表があって、一つは日刊ゲンダイは萎縮してないメディアだという話で、もう一つは日刊ゲンダイしか挙げられないぐらい他のメディアが萎縮してるしてるっていうことの裏返しで言ってるんでしょ、ということなんですよね。」
室井「褒められたと思ったよね。」
大竹「まあ、褒め言葉だと思うけど。でもね、いろんなメディアは、一生懸命やってくれてるのかな？という気がちょっとしますね。」
小塚「私の本の中では、2014年ぐらいから2016年ぐらいまで、安倍政権下でのメディアが、どういうふうに萎縮したかっていうことを、時系列的に書いています。最初はちょっと圧力的なものがあったんですよ。選挙の時に、公平公正に扱いなさいっていう紙を出して。」
室井「第二次安倍政権下からすごくなったよね。」
小塚「私はあの時「こんなものが来ましたよ。皆さん、これどう思いますか」ってテレビでやればよかったんじゃないかと思います。でもテレビはそれをある種受け止めて、知らないふりしたっていう感じがあります。ああいうものって、現場の方にじわじわと自粛とか自制みたいなものを生んでいくんですよね。圧力というよりも、面倒を起こすのやめておこうみたいな、そういう意識も生むようになって、だんだん冒険しなくなっちゃうって言うんですかね。」
室井「高市さんの「電波止める」発言の時も、日刊ゲンダイはしつこく頑張ったよね。ほかのメディアは、あれ、ちょっと圧力になっちゃったんじゃないかなって感じ。」
小塚「放送局は総務省のお墨付きをもらって電波を流してるので、放送法とか電波止めますみたいなこと言われちゃうとね。ただ、そういうことを平気でやってしまう政権ってどうなのかってことを本当はもっと問題にしなきゃいけないと思います。」
大竹「あの後ですか？各テレビ局に、街の声が公平じゃないっていうクレームをつけましたよね。」
小塚「安倍さんが選挙の時、生放送中にクレームつけたんですよね。これは公平じゃないみたいな。それを受けて、この本の中にも出てくるんですけど、あるテレビ局では編集してまとめたんだけど「ちょっとこの2人はずそうか」みたいな、忖度みたいなことが働いたって言ってました。」
室井「でも、もともと安倍さんなんか、選挙近くなったりとかすると出る番組とか決めて、すごいやってるくせに公平とか言うんだよね。」
小塚「安倍さんより前の時は、総理大臣がメディアに出るっていうのはある種、特別感があるので、みんな均等にとか公平にとか、ある種の基準みたいなものを持ってたんだけれども、安倍さんになってからは、好きなテレビに出る。すると安倍さんがよく出てくれるテレビ、安倍さんが出ないテレビみたいな感じになっていって。」
室井「出てほしいからみんながヘコヘコしちゃうでしょ。」
大竹「街の声を聞くとき、例えば、こちらの声が10人。こっち側の声が2人だったとき、これを公平にあつかうってどうしたらいいんだろう？」
小塚「例えば100人聞いて、80人が賛成、20人が反対って言ったら、普通はそのそのままの比率で流しますよね。じゃなかったら街の声聞く意味がない。」
大竹「そうだと思うんだけど、こっちの意見があったら、次に必ずそうじゃない意見。バランスをとって、どっちの声が大きいかもわからない状態で放送しますよね。」
室井「本当にそうなってきたね。意見を半分半分にするみたいになってきた。」
