AppleはiPhoneケースやApple Watchのストラップで使用する、レザーに代わる新生地「ファインウーブン」を発表しました。このファインウーブンは摩耗や傷跡が残りやすく、レザーのような経年劣化を楽しむことはできないと指摘されています。そんなファインウーブンに対する顧客からの苦情に備え、Appleは従業員向けに対処法を記したメモを配布していると報じられました。

Apple pens memo to retail teams on how to manage FineWoven complaints: 'A luxurious microtwill' - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2023/09/25/iphone-15-finewoven-complaints-retail-stores/



Appleは2023年9月に開催した新製品発表イベントの中で、iPhone 15シリーズやApple Watch Ultra 2、Apple Watch Series 9といった新製品と同時に、レザーの代替素材となる「ファインウーブン」を発表しました。このファインウーブンに対して、複数のメディアが「最悪の素材だ」と指摘する記事を公開しています。

Appleが開発したレザーの代替素材「ファインウーブン」は最悪との報道 - GIGAZINE



このファインウーブンに関して、Appleが小売店の従業員向けに対処法を書いたメモを送付したことがApple関連メディアの9to5Macの報道により明らかになりました。Appleが従業員に配布したメモには、以下のように書かれているそうです。

「新しいファインウーブンの外観、時間の経過と共にどのように摩耗するか、お手入れ方法についてお客様から質問を受けるかもしれません。ファインウーブンは柔らかく耐久性のあるスエードのような質感を持つ高級マイクロツイルで作られていることをお客様に正しく知らせる必要があります。」

ファインウーブンの耐久性について、Appleは小売店の販売員に対して「通常の使用で繊維が圧縮されるため、見た目が変わり、時間の経過と共に摩耗が見られる可能性があります」と顧客に伝えるように指示しています。また、Appleは従業員に対して「一部の傷跡は時間の経過と共に消えていく可能性がある」という点を伝えてほしいとメモに記しているそうです。

これに加えて、Appleは以前から指摘されていたように「MagSafe対応のファインウーブンケースとMagSafe対応アクセサリを使用すると、わずかな跡が残る」という点についてもメモに記している模様。



メモではAppleの従業員向けにファインウーブンのお手入れ方法も記しており、手順は以下の通り。これはAppleが公式サイト上で公開している「Apple 製品のお手入れ方法」に書かれているお手入れ手順と非常によく似ています。

1:糸くずの出ない布をきれいな水に浸します

2:ほんのり湿る程度まで絞ります

3:ファインウーブンの表面を濡らした布で1分間軽くこすります

このメモはAppleがファインウーブンに対する苦情が殺到していることを認識しており、小売店の販売員が顧客から受ける質問や苦情に対処する方法について、同じ認識を持つべきと考えているため配布したものと思われます。

なお、Appleはメモの中で「ファインウーブンはレザーや他の多くの素材に似ています」と記しており、あくまでレザーの代替素材としてファインウーブンを売り出していく予定のようです。