「ヤバイ…車停まった…」 夏はなぜ「故障車」増える? 暑さで車にも負担? 主な原因と対策は?

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夏に続出する「故障車」 暑さが負担に?

 高速道路では、毎年7・8月が最も故障車が多い時期だといいます。
 
 特にタイヤのトラブルやエンジンの始動不良が多く発生するといいますが、なぜ夏になると故障が増えるのでしょうか。

夏に急増する故障車の原因は?(画像はイメージ)

 高速道路の道路情報板や渋滞情報などの案内や、走行中に路肩や非常駐車帯に停まっている故障車を見かけるときがあります。しかし、夏になるとその数は増えるようです。

【画像】「えっ…!」 これが「クルマが傷む行為」です!(13枚)

 NEXCO東日本によると、「高速道路での故障車は7月と8月の2ヶ月間が特に多い時期で、故障原因のうち40%近くがタイヤやホイールの破損で最も多く、バッテリー上がり、オーバーヒートと続く」といいます。

 JAF(日本自動車連盟)でも、例年発表しているロードサービスの出動理由を見ると、このうちタイヤトラブルは年間通して最も多いものの、お盆の時期は件数、割合ともに多くなっています。

 タイヤのトラブルでは、釘などが刺さって徐々に空気が抜けていくスローパンクや、タイヤのバースト(破裂)がありますが、異物を踏んでしまったなど突発的な要因によるものだけでなく、タイヤの劣化や空気圧不足が原因となっていることも少なくありません。

 特に、空気圧は徐々に抜けていくうえ気温などでも変化するため、損傷や溝の深さ、ひび割れなどタイヤの外観だけでなく空気圧や取り付け状態も含め、全体のチェックを欠かさず行いましょう。

 そして、次に多いのがバッテリー上がりによるエンジンの始動不良トラブルです。

 バッテリー上がりは冬場の寒い時期に発生するというイメージを持つ人もいるかもしれませんが、実は夏場はエアコンを使う機会が多くなり、バッテリーへの負荷が大きい季節です。

 このときにバッテリーが古いと蓄電されにくくなっている可能性があり、そのうえ渋滞に巻き込まれるとバッテリーが上がってしまうことがあります。

 バッテリーは、エンジンが回転して発電機(オルタネーター)が動作することで充電されますが、渋滞に巻き込まれるとエンジンがアイドリング状態であることが多くなり、結果として発電量より消費電力が多くなることで、バッテリー上がりにつながるのです。

 さらに、古いクルマなどでは発電機自体が劣化していることもあるため、バッテリーの劣化だけでなく、必要な電力を発電できているかをチェックしてもらったほうが良いでしょう。

 ほかにも、近年は外気温が高いことが多く日差しも強いため、エンジンルームが高温になりやすく、さらに渋滞などで冷却が不十分になると、オーバーヒートを起こしやすくなります。

 通常走行でもエンジンは高温となりますが、エンジン冷却水が循環することに加え、走行風にさらされたり、冷却ファンが作動することで適正温度が維持されます。

 オーバーヒートを起こすと、速度が上がらないなどの性能低下や、焦げたような異臭、エンジン内部の金属パーツまでダメージが及んでいる場合は大きな音がするなどの症状が現れ、最終的にはエンジンに致命的な破損を招くことがあります。

 オーバーヒートしていないかは冷却水の温度を確認すればよく、メーターにある水温計をチェックしましょう。

 温度計から湯気が出ているマークのメーターが水温計ですが、針がちょうど真ん中あたりを指していれば正常、「H」または赤いゾーンに近づいてきたらエンジンが高温になっていると判断できます。

 なお、水温計がないクルマも多くありますが、オーバーヒートするとメーターパネルに赤い警告灯が点灯します。

 もしオーバーヒートしたら、早めに安全な場所に停止するとともにエンジンを切りましょう。一度のオーバーヒートでもエンジンにダメージが加わっている可能性があったり、冷却水が漏れてしまっていることがあるので、販売店に点検を依頼したほうがよいでしょう。

 また、定期的に冷却水の量が適切か、冷却系統に水漏れがないかをチェックすることも大切です。

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 全国的に9月に入っても、しばらくは30度を超す日が続くと予報されています。暑い日はクルマに乗る人だけでなく、クルマ自体にも負担をかけることがあります。

 特にタイヤやバッテリーなど、日常点検で防げるトラブルもあるため、レジャーや帰省などで長距離を走行する前には、事前にチェックしておくといいでしょう。