抗議する阪神・岡田彰布監督 (C) Kyodo News

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◆ 両者の想いが分かるからこそ……

 阪神は18日、敵地でのDeNA戦に1−2で敗戦。2位・広島が敗れたためマジックは「28」に減ったが、試合の幕切れはなんとも後味の悪いものとなった。

 1−2と1点を追う9回表、一死から安打で出た佐藤輝明にベンチは代走・熊谷敬宥を一塁に送る。続く代打・糸原健斗の4球目に盗塁を敢行すると、相手の送球がやや逸れてバウンドしたこともあってセーフの判定となった。

 ところが、三浦大輔監督がリクエストを要求すると、判定が覆ってアウトに。リプレイ映像では、なんとか捕手からの送球を抑えた遊撃手の京田陽太が体勢を崩しながら二塁ベースに入り、タッチに行った際に左足がベースをふさぐ形となったことが確認できる。その足が熊谷のスライディングを阻むような形となったが、審判団は「走者と野手が接触しましたが、妨害とはいたしません」と説明。走塁妨害はなく、二死走者なしで試合再開の運びとなった。

 これには三塁ベンチから阪神・岡田彰布監督が飛び出して猛抗議。約5分にも及ぶ話し合いも判定は変わらず、二死走者なしから糸原が四球で出塁するも木浪聖也が左飛に倒れて万事休す。

 これが阪神にとって8月初めての連敗となり、それ以上にチームやファンにとってもモヤモヤの残る試合となってしまった。

 18日放送のCSフジテレビONE『プロ野球ニュース』でも、このシーンが話題に。高木豊氏は「僕としては複雑」と見解を述べた。

 高木氏と言えば、現役時代は“スーパーカートリオ”の一員として鳴らした快足自慢の内野手だった。それだけに、「走ってきた人間としては、あんなところに足があったら“妨害だろ!”と思います」と、まずは走者の心理を解説。

 一方で、「僕は二塁手として盗塁を刺しにも行っていたじゃないですか。その面からすると、“これは仕方ないよ”と思う」と続け、二塁手や遊撃手としてベストナインやダイヤモンドグラブ賞(現在のゴールデングラブ賞)の受賞歴を持つ内野の名手としては、いっぱいいっぱいのプレーの中で足を置く位置まで気にするのは難しいと強調する。

 走者の熊谷と、遊撃手の京田。両者の想いが痛いほど分かるからこそ、高木氏は「だから複雑なんですよね……」。大きな物議を醸すこととなってしまったシーンを振り返った。

☆協力:フジテレビONE『プロ野球ニュース2023』

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