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 土曜午後には既報通りマンチェスター・ユナイテッドは、アタランタ・ベルガモからラスムス・ホイルンドを獲得したことを正式に発表した。報道によれば移籍金額は基本金として7500万ユーロ、さらに成果に応じて1000万ユーロのボーナスが追加される仕組みとなっており、キッカーが得た情報によればそのうち300万ユーロは古巣シュトゥルム・グラーツへ。なお20歳のアタッカーとは5年契約を締結しており、さらに1年間の延長オプションも付随している。「子供の頃からこの偉大なクラブのファンであり、オールド・トラッフォードのマンチェスター・ユナイテッドでプレーすることを夢見ていた」と、ホイルンドはコメント。

 マータフSDは「類まれな才能の持ち主で、技術的にもフィジカル的にも、この年代では世界最高の選手の1人」との評価を述べている。わずか1年前にシュトゥルム・グラーツからイタリアに渡り、セリエA32試合で9得点をマークした190cmを超えるデンマーク代表は、同じ北欧の大型FWエルリング・ハーランド(マンチェスターC)とも比較される逸材で、実際ガスペリーニ監督は、「彼はハーランドとよく似た資質を持っている。「彼はとても速く、100メートルを11秒以内で走るんだ」と評価。左利きという共通点もあり、ここまで金額が上積みされたことは実績への評価というより、将来への期待感からパリ・サンジェルマンとの争奪戦での結果によるものといえるだろう。

 1年前の夏の移籍市場とは異なり、今年の夏のユナイテッドは積極的だ。すでにチェルシーからメイソン・マウント、インテルからアンドレ・オナナを獲得。ただその一方でマンチェスター・ユナイテッドにおける最大の課題はセンターフォワードにあり、これまでトッテナムのハリー・ケインやアイントラハト・フランクフルトのランダル・コロ・ムアニらの名前も浮上。その点でいえばコロ・ムアニ在籍のフランクフルト、そしてケイン争奪戦を繰り広げるバイエルンにとっては安堵といったところかもしれない。

アタランタ、穴埋めにジャンルカ・スカマッカ獲得か

 一方で大きな資金を手にしたアタランタ・ベルガモではその穴埋めにもすでに着手、1年前にサッスオーロ・カルチョからプレミアリーグのウェストハムに渡ったばかりの、ジャンルカ・スカマッカがすでにイタリアへの帰国を希望しているようで、これまでインテルやASローマへの関心が取り沙汰されてきたが、今回ローマに同選手が降り立ったのはアタランタ・ベルガモでのメディカルチェックを受けるための模様。すでにクラブと選手側は移籍で合意済みとも言われており、契約を2027年まで残すウェストハムとのクラブ間交渉の行方も気になるところ。

マンU、ランスとのテストマッチで逆転勝利

 テン・ハフ監督は「チーム全体が彼のような選手を待ち望んでいたと思うし、ピッチの内外でうまく馴染んでいき、それからチームの力となってくれることだろう。彼は真のストライカーで、フィジカル面での存在感をもつ、非常に優れたプレスを見せる選手だ」と喜びをみせた。そして早速この日に行われたランスとのテストマッチにて選手用トンネルからピッチ中央に向かって歩き出したホイルンドは、観客からのスタンディングオベーションに思わず感極まる様子も。観客としてはそのままプレーする姿も眼にしたかったことだろうが、当然ながら同選手不在の中で試合は執り行われた。

 前半23分にダロトの致命的なクリアミスを突いて、CFソトカがGKオナナの頭上を高く弧を描く技ありのシュートで先制。ただハーフタイムでテン・ハフ監督から檄を飛ばされた選手たちは開始早々にラッシュフォードが、PA内に侵入し右足から放ったシュートでダンソが弾くもそのままゴールに吸い込まれ同点とすると、この試合MOMに選出されたガルナチョが左サイドで相手DFを翻弄。後半53分には先制点をアシストしたアントニーに追加点をお膳立てし、59分にはショウのFKにラッシュフォードが合わせ、最後はカゼミーロが決めてダメ押し。最終的にこのまま3−1でマンチェスター・ユナイテッドが勝利を収めている。

【マンチェスターU3−1(0−1)RCランス】得点経過:ソトカ(23)、アントニー(48:ラッシュフォード)、アントニー(53:ガルナチョ)、カゼミーロ(59:ラッシュフォード)

The stuff of dreams

Old Trafford, meet Rasmus Hojlund #MUFC

- Manchester United (@ManUtd) August 5, 2023