40代50代になると健康や心のモヤモヤが増えがち。少しでも心が軽くなるように、産婦人科専門医の高尾美穂先生が親身になって答えます。今回は、性生活についてです。

性欲がなくなり、夫との性生活が面倒に

【読者の悩み】

40歳を迎えてから性欲が減退し、夫との性行為に月1回応じるのがやっと。子どもの世話に加え身内の不幸が重なり、気持ちに余裕がありません。年下の夫は毎日でもしたく、「行為＝愛」と思うタイプで悩みます。（Hさん・40歳）

 

●とことん話し合って2人の着地点を見つけて

パートナーとの性の不一致は、なかなか難しい問題ですね。日本性科学会によれば、セックスレスの定義は1か月以上性的な行為がない状態のこと。しかし、頻度はどうあれお互いの価値観に相違がある状態は、苦しいばかりだと思います。

性行為の大きな目的は生殖。妊娠・出産という役割を終えた女性にとっての性行為は癒やしやコミュニケーションの意味合いが強くなるので、性欲が落ち着くのは自然な流れです。

一方、男性にとってはある意味、毎日新しくつくられる精子の排泄目的も含まれています。毎日でもすっきりさせたい気持ちも理解できます。仕事をバリバリこなす闘争心の強い男性であるほど男性ホルモンのテストステロン値が高く、その傾向は強いといわれます。

●余裕がない状況を丁寧に説明してみて

更年期に差しかかると性欲が減る女性は少なくありませんが、相談者さんは年齢的に卵巣機能が維持されていると推測されます。ですので、性欲の減退はほかに理由がありそうです。

睡眠はたりていますか？　子育てを1人で抱え込んでいませんか？　おそらく日常的な疲れが蓄積されて、ご主人と性交渉をもつよりも早く休みたいのではないでしょうか。また、ご主人の欲求に応じられないこともストレスになっていると思います。

性交渉が減ることは、愛情がなくなることとイコールではありません。それをわかってもらうのは簡単ではないかもしれませんが、粘り強く話し合うしかないです。今は心と時間に余裕がなく、希望に合わせるのは難しいこと。余裕をつくるのには、ご主人の助けが必要なことを伝えてみましょう。

金銭的に余裕があるなら子どもを預けて夫婦2人の時間をつくる、最低でも月1回は応じるなど、なにか方法はあるはずです。とことん話し合い、お互いが納得する着地点を見つけていきましょう。

 

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