フランクリン・ プランナー / フランクリン・プランナー

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「日本は生産性が低い」とよく言われることです。

生産性といえば、いかに少ない労働力と時間で、多くの成果物を生み出すかと単純にとらえられがちですが、「売れないもの」「評価されないもの」「価値にならないもの」をいくら生み出したところで、それは生産性が高いということにはなりません。

生産性が高いとは、付加価値が大きいということです。いかに「価値」を生み出すか、つまり「付加価値」を作り出すことが、現在のビジネスパーソン、ナレッジワーカーに求められていることになります。

しかし、「付加価値を作り出そう」と思っても、自然に出てくるものではありません。付加価値を作り出すための能力が必要です。能力を高めるためには、普段から付加価値を生み出す準備、トレーニングやインプットを欠かさないことです。

高い付加価値を継続的に生み出すことができる人は、普段からそうした活動を行っている人です。つまり、普段の時間の使い方から考えていく必要がありそうです。

インプットの時間を設ける

短時間で質の高いアウトプットを出すには、普段からインプットを積み重ね、絶対的な知識量を増やしておく必要があります。そのためには、あらかじめ1週間(あるいは1か月、1日)のなかで、「インプット時間」を決めておくこともひとつの方法です。

たとえば、「毎週土曜日の朝7時〜8時 経営、ITに関するWEBメディアをチェック」「毎週水曜日の朝6時〜8時 専門領域の書籍読書」など、あらかじめ計画しておくことで、インプットを意識することができるでしょう。また、人に会うこともインプットには重要なことです。自分にはない知見や経験を持つ人に積極的にアプローチし、意見交換する時間を設けることも有意義なことです。

さらに、プライベートの時間も含め、さまざまなことにアンテナを張っておき、知識や情報を積極的に取り入れる意識を持つことも重要です。

高い目標

付加価値を作り出すには、そもそも「付加価値を生む」という強い意識を持つ必要があります。自分に厳しく、いかにアウトプットの質を上げるか、いかに効果的に価値を生み出すかという意識を強く持っています。付加価値を生み出すことが、自分の存在価値であることを十分に理解しているからです。

そして、その付加価値に関連した高い目標を持っているのも、付加価値を生み出す人の特徴です。

「新規事業のアイデアを事業部長に月に1本提案する」「新サービスのアイデアを毎週ひとつ以上提出する」「今期中に3億規模のビジネス事業案を作成する」「1年以内に中小企業診断士の資格を取る」など、自分に対して高い目標を課し、日々仕事に向き合っています。

優先順位をつける

最大の付加価値を目指しますから、アウトプットのインパクトも重要です。さまざまなアウトプットが想定されるなか、どのアウトプットであればインパクトが大きいのか、常にチェックしながら、取り組み決定することが必要となります。

毎月、毎週、短い時間でもかまいませんので、自分が出そうとしているアウトプットを比較し、インパクトの違いをチェックしてみましょう。

もちろん、上司の指示や大切なクライアントからの依頼に対して優先順位を下げるわけにはいきませんので、全体のバランスを崩すことなく、タスクを計画していきます。

時間をまとめる

これは、ピーター・ドラッカーが語っていたことですが、大きな成果を出すための仕事の仕方として、「時間をできるだけまとめる」ことを推奨しています。

コマ切れの時間では、大きなアウトプットを出すのは難しいものです。また、集中すれば、時間が経つことを忘れることすらありますので、設定時間が短いと集中するあまり、次のアポに送れることすらあるでしょう。半日や1日など、時間管理をうまく行い、アウトプットのための時間をまとめ、集中して取り組むようにします。ひとつのことに集中して取り組むことも大きな付加価値を生み出す上で重要です。

自分の役割を明確にする

付加価値といっても、その内容は人それぞれです。派手なプレゼンテーションやプロジェクト・リーダーとしての成功は派手で目立ちますが、それだけが付加価値ではありません。アイデアを出す役割の人もいれば、情報の整理やまとめる役割の人もいます。さまざまな役割の人が相互に協力してひとつの組織として成り立ちます。つまり、その違いは仕事においてもプライベートにおいても、役割の違いとして表れます。

また、人には得意、不得意があります。コミュニケーションが得意な人もいれば苦手な人もいます。計算が得意な人もいれば、企画をまとめるのがうまい人もいます。

自分の得意、不得意を理解し、また組織のなかでの役割を明確にしたうえで、自分の出すべき付加価値とは何かをじっくり考え、自分なりの付加価値を出すための計画をつくっていきましょう。