エンゼルスの大谷翔平【写真:ロイター】

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今オフのFA戦線を前にサンフランシスコ紙が異例の特集

 米大リーグで今季終了後にフリーエージェント(FA)となるエンゼルス大谷翔平投手の去就が早くも米メディアで取り沙汰されている。獲得を狙う有力候補の1つに挙げられるジャイアンツの地元紙も注目。「ショウヘイ・オオタニの未来はサンフランシスコにあると彼に示すために、ジャイアンツが今出来ること」と題し、球団に異例の提言を行っている。

 大谷に来てもらうために、地元紙も必死だ。異例の特集を掲載したのは、米カリフォルニア州紙「サンフランシスコ・クロニクル」。「ショウヘイ・オオタニの未来はサンフランシスコにあると彼に示すために、ジャイアンツが今出来ること」と題した記事では、「オオタニはどこに行こうと大金を得る、だからチームのポテンシャルが鍵だ」と言及。大谷を説得するために、残りシーズンですべきことを提言している。

 同地区ライバルのドジャースを筆頭に、他球団との激しい争奪戦が予想される大谷のFA戦線。交渉は総額5億ドル(約697億5500万円)あたりからスタートし、6億ドル(約837億1800万円)以上を費やす覚悟も必要であると同紙は推察した。その上で、「ジャイアンツは金がある」と資金力に問題はないことに言及した。

 一方で、「素晴らしいアスリートたちはお金が好きだが、勝つことだ大好きだ」と、説得のためにはお金だけではなく“勝てるチーム”であることを示す必要があると強調。「上昇傾向の球団であるとオオタニに一番上手に示せるチームはどこか、という問題になってくる」と争奪戦の鍵を予想した。

大谷説得のために「ジャイアンツは未来を見せないといけない」

「ジャイアンツはオオタニに殺し文句をぶつけなければならない」とした同紙。「そのためには、ジャイアンツは若手とともに後半戦で輝かねばならない。目もくらむほどのダイナミックな若手を見せびらかし、オオタニを仰天させるのだ」と続け、将来的にチームの核となる若手有望株をさらに露出させるべきと論じた。

 5月にデビューしたばかりのケイシー・シュミット内野手やパトリック・ベイリー捕手、デビュー間近のカイル・ハリソン投手やルイス・マトス外野手の名前を期待の若手の例として出した同記事。「オオタニの争奪戦がジャイアンツの今から10月までの戦略に影響を与えるかもしれないし、与えるべきだ」とし、若手を起用するためにベテランの出場機会が減ることも厭わない、という意向を示した。

 もちろん、起用した新人がすぐに成功するとは限らないが、同紙は「転がさない限り、サイコロゲームには勝てない」と賭けに出るべきだと主張。「ジャイアンツはショウヘイに未来を見せないといけない」と締めている。

(THE ANSWER編集部)