ブリヂストンレディス最終日、ラウンド中に笑顔を見せる西村優菜【写真:Getty Images】

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強行軍で参加した国内ツアーで思いを明かす

 21日まで行われた女子ゴルフの国内ツアー・ブリヂストンレディスに出場した西村優菜(スターツ)は、米国から帰国しての強行軍だったにも関わらず、通算8アンダーの6位と大会を盛り上げた。6月1日開幕の米女子ツアー「みずほアメリカオープン」に備え、すぐに渡米すると明かした22歳。大会期間中に、改めて米ツアーで戦う思いを聞いた。

 フライトだけで約18時間をかけ、16日に帰国した西村は、17日のプロアマ戦に参加。18日の初日から4日間を戦い抜く、ハードな1週間を過ごした。

 時差ボケのレベルは「もはや何なのか分かってない」と話したものの、雨天順延の影響でトータル28ホールを回った3日目には5連続バーディーも記録するなど4位に急浮上。大歓声を浴び「久々で嬉しい」と喜んだ。

 最終日は「疲れが結構出ていて、全然スイングが出来なかった」。スコアは伸ばせなかったが、それでも大会を最後まで盛り上げた。強行軍での参戦の理由は、日本のギャラリーの前でプレーしたかったから。十分に得たモチベーションを力に、米国での戦いに再び戻る。

 西村は昨年12月の米ツアー最終予選会(Qシリーズ)で通算15アンダーの24位。45位以内に与えられる米ツアー出場権を得たものの、より多くの試合に出場できる20位以内には2打及ばなかった。その後に更新したインスタグラムの投稿では、飛距離や身長を理由に、米挑戦に関して肯定的ではない意見もあったことを感じさせていた。

 大会期間中、西村に米ツアーへの憧れについて聞く機会があった。「ずっといつかは行こうと思っていた」。その思いがより強まったのは、昨季経験した海外メジャーでレベルの高さを感じてからだという。

「いろんな意見」も…米ツアー挑戦を決めた背景に大先輩

 米ツアー挑戦にあたり、西村は「いろんな意見」があったことを認めながら、こう語ってくれた。

「自分も(宮里)藍さんたちが活躍しているのを見て『できるかもしれない』と思った身。後の子たちに伝えられるくらい、影響力がある選手になれるように頑張りたい」

 身長150センチの自身と同様に、宮里さんも155センチと決して体は大きくない。それでも米ツアーで9勝を挙げ、世界ランキング1位にまで上り詰めるなど活躍した。どんなに厳しい道のりになろうと、機会があれば挑戦すると迷わず決めていたのは、偉大な先輩の影響も大きい。

 米ボールが止まらない米国の硬いコースに苦しみながらも、1回目のリシャッフルをクリア。中盤戦以降の出場権を確保している。

「この試合を頑張ったら次の試合に出られて、次の試合を頑張ったらまた次に出られて……って、ずっと後ろを迫られてのプレーだった」と挑戦の2か月に苦労も口にしたが、直後の柔和な笑みが印象的だった。

「もちろん、楽しいですよ。いろんなプレーヤーとラウンドできるので」

 日本での日々を「すごく幸せな1週間」と表現した西村。ゴルフを楽しむ初心を失わず、厳しい世界を進み続ける。

(THE ANSWER編集部・宮内 宏哉 / Hiroya Miyauchi)