アメリカ国防総省庁舎(ペンタゴン)付近で爆発が起きたとの一部報道を受け、アメリカ株式市場でダウ工業株30種平均が約80ポイント下落するなど市況が混乱しました。後にこの報道は誤りだったことが分かりました。

Fake AI-generated image of explosion near Pentagon spreads on social media | Artificial intelligence (AI) | The Guardian

https://www.theguardian.com/technology/2023/may/22/pentagon-ai-generated-image-explosion

Verified Twitter Accounts Spread AI-Generated Hoax of Pentagon Explosion

https://www.vice.com/en/article/7kx84b/ai-generated-pentagon-explosion-hoax-twitter

'Verified' Twitter accounts share fake image of 'explosion' near Pentagon, causing confusion | CNN Business

https://edition.cnn.com/2023/05/22/tech/twitter-fake-image-pentagon-explosion/index.html

日本時間2023年5月22日23時頃、ペンタゴン近くで爆発があったように見える偽の画像がTwitter上で複数のアカウントにより拡散され、一部メディアが誤って事実として報道しました。その結果、株式市場が一時下落しました。





専門家によると、画像内の建物はペンタゴンにはあまり似ておらず、AIによって生成された可能性があるとのこと。

翌日0時27分、ペンタゴンがあるバージニア州アーリントン群を管轄する消防署が「ペンタゴンの近くで爆発があったという画像がネット上に出回っていることを認識しています。ペンタゴン付近では爆発や事件は起きておらず、一般市民への直接的な危険や危害はありません」とツイートし、爆発は確認されていないとの事実を明確にしました。





当該フェイクニュースは33.6万人のフォロワーを抱える軍事系ニュースメディアのOSINTdefenderや、ロシアの国営メディアであるRTなどが報道し、後に撤回しました。正式なメディアのみならず、Bloombergを装った偽のアカウントや、Twitterから「認証済み」のチェックマークを付与された多数のアカウントにより拡散されてしまったため、情報を受け取った多くのユーザーが混乱しました。OSINTdefenderは誤報を謝罪し、「街灯の形がおかしいので画像はAI製だ」とする一ユーザーのツイートを引用して「このような画像は簡単に情報を操作できる。このようなことが可能になるとは、正直言って驚きです」と記しました。





フェイクニュースの拡散により、ドル円も一時50銭近く下落しました。





この事件は、Twitterがかつて著名人にだけ与えていた認証済みマークを一般人が買うことができるという仕組みに変更したタイミングと重なったため、巨大なプラットフォームであるTwitterがいかにフェイクニュースを拡散しやすい状態にあるか、という問題を浮き彫りにしたとも指摘されています。