定期的に整理をしなければ増えていく衣類。とくに下着は、捨てどきを見逃しがち。そんな下着の処分のタイミングなどについて、50代ブロガーで整理収納アドバイザーの原田さよさんが教えてくれました。

50代、下着の捨てどきのポイント

重たい服や体を締めつけるような服がダメになってきたのと同じように、50代になってからは、選ぶ下着も変わってきました。下着はボディラインを整え、吸湿や保温の機能も備えつつ服をきれいに見せてくれるもの。年齢を重ねるほど、今の自分に合ったものを身につけたいと思うようになりました。

とはいえ、元々ズボラな私。ついつい捨てるタイミングを逃しがちでした。今までと違う下着を買うようになったのに、古い下着を捨てそびれることもあり、どんどん増やしていた時期もあります。そこで今回は、下着の捨てどきポイント6つと、私がどのようにして捨ててきたかをまとめてみました。

●そもそも、なぜ下着は減らしにくいのか?

・見えないからいいか

そもそも、なぜ下着は減らしにくいのでしょうか。ひとつは、はじめに書いたように「外から見えないから」。よほど破れたり伸びきったりしない限り身につけられるものなので「ついつい、まだ着られる」と思ってしまい、私はなかなか捨てられませんでした。

・高価なものほど捨てられない

もうひとつの理由は、高価だったものほど身につける機会がなかったため傷みが少なく、「もったいない」「惜しい」という気持ちがあったから。告白しますと、独身時代に買い集めていたゴージャズな下着(ウン万円もするものじゃないです)を、つい数年前まで捨てられずにいました。普段使いにするにはお手入れがめんどうで、眺めるだけになっていたものでした。そんな若い頃のものなんて身につけられるはずはないのに。

「きれい」「かわいい」「小さい」「大事に集めてきた」、こういう思いこそ捨てられなかったのだと今ならわかります。いくらよいものでも、よく見ると劣化していましたから。

●下着を減らしていこうと思ったきっかけ

・引き出しがいっぱいになって出し入れしにくくなってきた

このように、なかなか整理できなかった下着ですが、たくさんあった洋服を40数枚にまで減らしたあたりで、ようやくこちらも減らしておこうと思うようになりました。下着とはいえ、タンスの中でけっこうな場所を取っていて、それぞれが出し入れしにくい状態になってきたからです。今度は、清潔で快適な、今の自分に合う下着だけが入った状態にしたいと思いました。

・急病になってしまったとき、見られてしまうかも…

清潔で快適な下着を身につけられるようにしておきたいと思ったもうひとつの理由が、「いざ」というときを考えるようになったこと。急病で運ばれたときなどに、ちゃんとした下着をつけていたいと思いました。「そんなときに、患者の下着なんて見られないよね」とは思っていたのですが、気になりはじめたので整理をすすめることに。

コロナ禍、救急車を呼んでもらったことがあります。激しい眩暈と吐き気が止まらなくなりソファから転げ落ち、這うようにしてトイレへ。そのうち視界もうすぼんやりしてきて動けなくなったときでした。もちろんその瞬間はなにを着ている? など考える余裕はまったくありませんでしたが、「下着の整理をしておいてよかった」と後でしみじみ思いました。

●下着の捨てどき・見極めポイント6つ

捨てどきの見極めポイントは次のようなことです。

(1)  生地の劣化(色褪せ・毛玉・糸のほつれ・薄くなってきた、など)
(2) ゴムが伸びている
(3) 肩紐が伸びて、ずりおちてくる
(4) ワイヤーが変形し、肌に当たる部分が痛い
(5) レースが弱っている、切れている
(6) 状態がよいように見えても、伸縮性がなくなっている

私の下着がそうだったように、まだ使えるように思っても、よく見るとしっかり劣化している場合があります。今は傷んできたらすぐ次のものに買い換えて、量が一定になるようにしています。

●下着の捨て方

下着を捨てるときは、次のようなことに気をつけていました。
・ワイヤーやフックなどは、本体から切り離す
・ワイヤーを引き抜くときは、端が当たって痛い場合もあるので気をつける
・本体には細かくハサミを入れ3つか4つくらいに分けて袋へ(紙袋や使わなくなった風呂敷などを使って)可燃ゴミとして捨てる

●下着を整理するメリット

下着を減らしたらタンスの引き出しから出し入れしやすくなったのはもちろんなのですが、その他にもよかったことが2つありました。
・数が減ると、洗ってから長く放置していたものを身につけることがないため気分がいい

・数が減ると、量を把握しやすいため、無駄に下着を買ってきてしまうことがなくなる

下着は肌に直接あたるものなので、洗ってあるとはいえ長い間、使っていないものより、数日前に洗ったばかりのもののほうが気分がいいです。また、量が減ると自分が今持っているものが何か覚えていられるため、「あ、今日はまとめ買いしたらお得なのか!」とついつい衝動買いしてしまうようなこともなくなりました。

 

下着はそれぞれが小さいため、片づけやすいです。全部を出して見直すのに、それほど時間も体力も使いません。ぜひ、この春、引き出しからすべて出して点検してみてください。私も「年齢を重ねた今の自分に合う下着は?」と自分に問うことを忘れず、いつでも気分よく出かけられるようにしておきたいです。

 

片づけと暮らしについてつづった原田さよさんの新刊『50代はやめどき、捨てどき、楽しみどき』(扶桑社刊)はただいま発売中です。