テレワークが一般的になり、新居に仕事のためのスペースを設けるのが当たり前のように。日刊住まいライターは、仕事部屋に加えて、「家事をやりながらパソコン作業ができるスペース」を、家の複数の場所につくる間取りを採用しました。気分や用途に使い分けて、満足しています。詳しく語ります。

家じゅうで仕事がしやすい間取りを要望

夫婦でふたり暮らしをしている筆者。家を建てる前から在宅ワーカーだったこともあり、家づくりの際は「家の中で仕事がしやすい」ことが、要望のひとつでした。

工務店と間取りを決める際には、「家じゅうのいろいろなところで、パソコンで仕事がしやすいように」と依頼。「リモートワーク部屋」のような1か所だけが特化して便利なのではなく、さまざまな場所が仕事場になる家を目指しました。

なぜなら、筆者は家事をしながら仕事をしたかったから。家事の合間に効率的に、パソコンを扱えるようにしたかったのです。

 

こちらが、筆者の要望に従って完成したわが家の1階の間取りです。「PC」と書いている場所が、作業できる場所。リビングのローテーブル(兼、こたつ)、ダイニングテーブル、リビング横の和室、キッチンパントリー、ウッドデッキと複数あります。

 

くわえて2階には、3畳の書斎をつくりました。ここは、完全に仕事部屋として活用しています(写真は、入居直後の様子)。

 

こちらは、1階の和室に設置したパソコン作業スペースです。スタンドデスクのように使っています。このリビング横の和室とキッチンパントリーのパソコンコーナーは、収納棚としてもデスクとしても使えるようにしてあります。

なお、パソコン作業スペースの近くには、必ずコンセントを設置しました。

ただ、実際に住んでみて気づいたことも、想定とは違っていたことも。デスクと電源があればどこでも仕事ができると思っていたものの…。実際には、Wi-Fiが届きにくい場所もあって、使い勝手が悪い場所も出てきました。

 

いちばん集中できるのは、キッチンパントリー

ちなみに、いちばん仕事がはかどる場所は、キッチンのパントリーに設置したパソコン作業スペースです。これはちょっと意外な結果でした。

 

パントリーと言っても、それほど大げさなものではありません。キッチンの一角に、奥行き30cm程度の可動式収納棚を取りつけただけのパントリーです。ここのいちばん下の棚板を、筆者はデスクの代わりに使っています。

 

引っ越した当初は、料理しながらや洗濯物の待ち時間など、家事の合間にのみ使っていたのですが。

「あれ? パントリーだと、図書館にいるみたいに作業に集中できる!」と気づきました。今は、家事の合間でなくても、パントリーで仕事をすることが多いです。

集中して作業ができる理由は、ダークグレーの落ち着いた壁紙の色と、棚に囲まれておこもり感があるからだと思います。頭を使う作業や、記事を書くなど、集中して作業したいときにはぴったりな場所でした。

ただ、ウェブ会議のときには、顔が暗すぎて映りが悪くなってしまうのが難点。

ウェブ会議で映りがよいのはブラケット照明のある書斎

筆者は、家にだれもいない昼間は1階で、家族がいるときは2階の書斎にこもって仕事をしています。

書斎の壁紙の色はネイビー。3畳というコンパクトな空間は、余計なものを置くスペースもなく、おこもり感があるので、集中するのにピッタリ。

 

デスク上には、ダクトレールを設置して、ブラケット照明の位置を自由に変えられるようにしています。ウェブ会議のときに、とても便利。位置を調整することで、筆者の顔の写りを、明るくきれいにしてくれます(筆者の顔を白く飛ばし気味にしてくれる!)。

また、書斎は1階の雰囲気と異なり、家族の生活感がほとんどありません。そのため、ウェブ会議でありがちな、「背景を気にする心配」も無用です。

 

筆者の経験から言うと、オンライン会議が多い方は、オンライン映えする照明計画も考えて家つくりするとよいと思います。小さなことですが、ストレス少なく仕事ができるのは、やはり大事。

 

結果、仕事ができる場所をたくさんつくってよかった

実際に家で仕事をしてみて感じたのが、「集中できる場所が、オンライン映えするわけではない。また、オンライン映えする場所が、家事をしながら仕事しやすい場所ではない」ということ。

家づくりでは綿密に計画を立てたつもりでしたが、実際使ってみないと、ワークスペースの使い心地はわからないものだと実感しました。だからこそ、家じゅうに、複数の仕事場をつくっておいてよかったと思っています。

仕事の用途に応じて使い分けもできるし、気分転換に場所変えもできるメリットもありました。仕事の効率や集中にも、よい影響があると実感しています。