1981年に誕生し、年間売上「4億」本を超える「ガリガリ君」。一度は食べたことがあるという方も多いのでは? その認知度や発売本数はもはや“国民的アイス”と呼んでも過言ではないかと思いますが、今年3月にリニューアルを発表。

「ガリガリ君」がリニューアル!気になる疑問を赤城乳業に聞いてみた

今回は、衝撃的ともいえるガリガリ君のリニューアルについて、赤城乳業にたっぷりとお話を伺いました。

【写真】新パッケージはこちら

●どうしてリニューアルすることになったの?

ESSEonlineでも工場見学をはじめ、商品の裏側を取材させていただきましたが、ガリガリ君は、1964年に発売した「赤城しぐれ」というアイスが危機を迎え、その打開策として「子どもが遊びながら片手で食べられるかき氷(赤城しぐれ)をつくりたい」と誕生した商品です。

今年で42年目を迎え、これまでには衝撃の味として語り継がれている「ガリガリ君リッチコーンポタージュ」などの3部作や、「60円から70円に値上げ」といった出来事は、大きな話題を呼び、今も記憶に残っているという方も多いのでは?

今回は2002年以来のリニューアル。赤城乳業 マーケティング部の方にリニューアルを検討したタイミングについてお伺いすると、「2022年6月の消費者調査を受けてから、すぐに動きました」と、思いのほか早いタイミングで考えていたことが発覚。いったい、その“消費者調査”でなにがわかったのでしょうか?

「じつは調査の結果、『クールダウンやリフレッシュに最適』、『キャラクターつきで商品がわかりやすい』、『いろんな味があって楽しめる』といったポジティブな意見が多い一方で、『素材・製法のこだわりを理解して購入している』という意見が少ないことがわかったんです。そこで、ガリガリ君の特徴やこだわりをより深くお客さまに知ってもらい、これまで以上にガリガリ君を食べてもらいたいという想いからリニューアルに至りました」

たしかに名前や味は知っているものの、その素材や製造法まではなんとなくしか知らないですよね。そこで、改めてガリガリ君の特徴について教えてもらいました。

「ガリガリ君はゆっくりと時間をかけて凍結させた、不純物のない「純氷」を使用。その純氷を削ったかき氷とシロップを混ぜ合わせ中につめることで、ガリガリとした食感とさわやかなあと味が楽しめる商品になっています」

しかし、いくらリニューアルでパワーアップするとはいえども、ロングセラー商品を変えることに対して、不安や社内から反対の声はなかったのか尋ねると…。

「ガリガリ君は『新しい挑戦をしていく』ことを大切にしています。そのため、社内でもリニューアルの取り組みは前向きに進みました」と、力強い答えが返ってきました。これは“新”ガリガリ君の中身がますます気になってきました。

●なにが変わったガリガリ君!

今回のリニューアル最大のポイントは、「中のかき氷の氷を粗く削り、これまでより大きい氷の割合を増やした」こと。そのため、より“ガリガリ”とした食感を感じられるようになったのだとか。

「氷の割合は、発売までに試作や工場でのテストを合わせて複数のパターンを試しました。そのなかで、ガリガリ君リニューアルのプロジェクトチームが、現在生産できる中でいちばんさわやかでおいしく感じた割合に決定したんです」

ガリガリ君の中身は、ミックス(ガリガリ君の原材料的なもの)と氷を砕いたもの合わせて冷やし固めてつくられるのですが、ふと気になったのは、「ソーダ味の水を凍らせたもの」と「純氷にあとからシロップを混ぜたもの」とでは違いがあるのかということ。

「2つを見比べると、見た目からも違いは分かるかと思いますが、いちばんの大きな違いは『食べたとき』にあります。氷は不純物のない水でつくるほど、固く溶けにくい氷になります。そのため、ソーダ味の水を凍らせたものは、口の中で同じ早さで溶け始め、食感も味も均一です。

一方、氷+シロップを混ぜたものは、純氷の氷の粒が固いため、よりガリガリとした食感が感じられるんです。口の中で先にシロップが溶けて広がり、最後に溶けにくい氷の粒が残ってから食べ終わるため、よりさわやかなあと味になります。ぜひ、ガリガリ君のこだわりの氷の粒の食感とあと味のさわやかさを楽しんでいただきたいです!」

●無料サンプリングの数がすごいけど大丈夫!?

赤城乳業では、「食感とあと味のさわやかさ」を体感してもらうべく、3月中旬から5月中旬まで全国主要都市の13施設でなんと「10万本の無料サンプリング」を実施!

「サンプリングは、老若男女問わず多くの方々にリニューアルしたガリガリ君を楽しんでもらいたいという思いから実施を決定しました。とくに、かつてはガリガリ君を食べていたけど最近は食べていないというお客さまに、ぜひこれをきっかけに、もう一度ガリガリ君のおいしさを味わっていただきたいです!」

とはいえ、ガリガリ君がいくら1本76円と手に取りやすい価格といえども、10万本となるとうれしい反面、「そんなに配って大丈夫?」と思わずこちらが心配になるほど。そこで、思いきって10万本にした理由を伺いました。

「なるべく日本全国を周り、多くのお客様に食べてほしい! そんな願いから、通常ですと大きなイベントでも1万本程度の中、10倍の10万本を用意することに決めました。残念ながらすべての都道府県に行くことはできませんが、この機会にぜひ食べていただけたらうれしいです」

なお、今回のリニューアルは、1本入りの「ガリガリ君ソーダ」、「ガリガリ君コーラ」、「ガリガリ君グレープフルーツ」に加えて、3月14日に発売した人気のフレーバー「ガリガリ君九州みかん」でも実施しているそうです。

リニューアル品のいちばんわかりやすい見分け方は、パッケージの「こだわり抜いた、氷の粒」というキャッチコピーの記載があるかどうかです。購入の際はぜひ注目してみてくださいね。

新旧「ガリガリ君」を食べ比べてみた!

これまで、ガリガリ君のリニューアルにまつわる話を伺いましたが、やはり気になるのは「そこまで変わったのか?」ということ。リニューアルによって、今までの親しみやすい味わいが変わったとなれば、話は別…。そこで、アイス大好きESSEonline編集部員が新旧ガリガリ君を食べてみました。

●見た目はそこまで変わらない?でも食べてみると…

ガリガリ君のパッケージは「おいしい・たのしい・うれしい」の3つのコンセプトをデザインで表現しているため、3パターン存在。

写真の大きな口を開けたパッケージでは、今まではガリガリ君の口のなかに氷の粒が描かれていたのですが、リニューアル後は削られた氷が描かれています。なんとなく氷の粒自体がキラキラしている感じがして、期待が高まります。

袋をあけてみると、どちらもガリブルーのさわやかな色味が映え、大きさや高さなどもそこまで大きく変わりません…。ここだけ見ると「本当にリニューアルしたの?」と疑うほど。しかし、ひと口食べた瞬間明らかな違いが…!

氷の粒が大きくなってるー! 食べると“ガリガリ”といい音が。とはいえ、全部の氷が大きいわけではなく、あくまで割合が多いので、細かな氷のくちどけがよく、ふわっとした食感も楽しめます。食べている最中にお祭りで食べるかき氷ってこんな感じだった! と思い出すほど。

食べると最初にシロップの甘みが感じられるのですが、氷の粒が大きい分最後まで口に残って、あと味もいい塩梅ですっきり。外側のキャンディ部分との相性もこれまでと変わらず絶妙。

ちなみにこちらが旧バージョン。これでも十分おいしいのですが、こうして食べ比べてみるとやっぱりリニューアル商品の方がいいな…というのが正直な感想。ここまで違いを感じられるとは思っていなかった分、とにかく衝撃は大きかったです。

3月中旬からリニューアル商品に順次切り替わっているそうなので、見つけた際にはぜひ食べてみて違いを感じてみてほしいです! もしかしたら、運がよければ新旧で食べ比べもできるかも!?

これからの暑くなる時期にぴったりな「ガリガリ君」ですが、今後もさまざまなフレーバーが発売される予定です。