開幕戦でメジャーデビューしたレッドソックス・吉田正尚【写真:ロイター】

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メジャーデビュー戦は「4番・左翼」でマルチ安打を記録

■オリオールズ 10―9 レッドソックス(日本時間31日・ボストン)

 レッドソックス吉田正尚外野手が30日(日本時間31日)、本拠地で行われた今季開幕戦に「4番・左翼」で出場し、4打数2安打1打点と上々のデビューを飾った。6回の第3打席でメジャー初安打となる適時打を放つなど勝負強い打撃を披露し「開幕の日に打てたというのは大きい。新しい環境でスタートできた。すごくいい経験ができた」と安堵の表情を浮かべた。

 2点を追う9回1死一、二塁では5打席目が回っていた。1発出れば逆転サヨナラ勝利の場面。打席に向かう背番号7に、本拠地のファンから「ヨシコール」の大声援がわき起こった。「すごくうれしい。(本塁打の意識は)ありましたけど、どちらかというとつないでいきたい、と」。結果的にバティスタの速球に差し込まれて遊ゴロに倒れ、失策の間に1点が入った。「バッティングカウントで中途半端になった。そこで仕留められたらよかった」と悔しさをにじませた。

 試合前のセレモニーでは、「WBCチャンピオン!」と紹介され、大きな拍手を浴びた。6回の第3打席では左腕エキンの高め速球を中前にはじき返してメジャー初安打初打点を記録。8回には右腕ベーカーの93マイル(約153キロ)を力強く打ち返すと、痛烈な打球が一塁手のグラブをはじいて右翼線へ転がり、マルチ安打をマーク。打席を重ねるごとに、ファンの期待とともに拍手が大きくなっていった。

 ファンの期待を肌で感じたからこそ、2安打放ったことより9回の凡退を悔しがった。「あとは結果を出していくしかない。期待に応えられるように。選手としては意気に感じる」と力を込める。試合開始時の気温4度と寒風が吹く中でプレーしたことについて、地元メディアから聞かれた吉田は「寒かったですけど、心はホットでした」と振り返り、笑いを誘った。

 自身の活躍が勝利に繋がらなかったものの、デビュー戦で地元メディアやファンの心はつかんだ。コーラ監督は試合後「いい選手。守備も打撃も良かった。いい仕事をしてくれた」とたたえた。そして、こう続けた。「(9回も)いい打席だった。速い球にも対応でできる。シンプルなスイングができるいい打者」とメジャーでの適応に太鼓判を押し「He is Okay(彼は大丈夫だ)」。スプリングトレーニング中に繰り返してきた言葉に、より一層力がこもっていた。(Full-Count編集部)