日本ファン向けに日本語動画を投稿しているトレバー・バウアー投手だが

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プロ野球横浜DeNAベイスターズに入団した新外国人右腕トレバー・バウアー投手。米MLB通算83勝の実績を持ち、最も活躍した投手に贈られるサイ・ヤング賞の受賞経験も持つ大物は、日本の野球ファンに向けて日本語のユーチューブ動画チャンネルを開設した。

このチャンネルで近ごろ公開したバント練習動画の日本語が「カオスすぎる」「癖になる」として、野球ファンの一部で話題になっている。

いきなり「エリックテンテンテンテンテンテン」で

2023年3月26日に投稿した動画のタイトルは「プロの投手は、この野球の基本的な技術が下手くそだ」。動画の内容は日本での野球に適応するためか、バウアー投手がピッチングマシーンを使ってひたすらバントの練習をするというもの。

動画に映る人物の音声は、全て機械翻訳とおぼしき文章の、男性調の機械音声で日本語に吹き替えられている。登場人物は、バウアー投手が経営するドキュメンタリー制作会社「MOMENTUM」のクリエイターで元マイナーリーガーのエリック・シム氏と、同社で映像制作をしているケビン・チャン氏だ。

冒頭からバウアー投手は早口の音声で「エリックテンテンテンテンテンテン、バントの仕方を教えてくれませんか」とシム氏に語りかける。原稿の三点リーダ「...」を機械翻訳にかけたところ「テンテンテン」と翻訳されたのだろうか。

冒頭の発言は「日本でバントができた。あそこまでいって、バントが取れなかったらしょうがないっちゃしょうがない。私を干してくれたこと、それは私のせいではありません」と続く。一見、日本語として成立しているが文意がわからない不思議な文章だ。

また機械音声の再生スピードは突然速くなったり、遅くなったりと目まぐるしく変化する。ねっとりと「ひどいバント。いちまぁいめ(一枚目)です」とスロー再生されたかと思えば、すぐに「ソレハヨイバントデハアリマセンソレハダイジョウブナバントデス」と早口に切り替わる。

機械音声の罵倒がシュール

音声は基本的には文語口調だが、特にシム氏の機械翻訳は砕けた口調になるよう設定されているのかバウアー投手に対して「バント(の練習相手)が欲しいなら、あのチビ(チャン氏)に言ってくれ」と返答するなど口が悪い。

バントに失敗するバウアー投手には「最低だな、お前。ファウルボールだろ」「プリマドンナクソサイヤング勢やんけ」「お前の方がよっぽどひどいわボケ」と機械音声で罵倒する。

練習を通して直球を打ち上げず下方向に叩きつける技術を身に着けていくバウアー投手。途中で不調に陥り再びバントに失敗するようになると、「また樽を失ったのか?」「マシンの中に私が居るのか?」と不可解な日本語で悩むなど、動画中には何度も「迷言」が飛びだす。

音声の読み上げ速度が急に変化したり、謎の日本語が頻出したりする動画には「球速だけでなく読み上げ音声の緩急も巧みな男」「英語版出して字幕つけてくれた方が理解できる自信がある」といったコメントが寄せられている。

同時に、日本野球に向けてバント練習をする姿には好意的な声が寄せられているほか、「お腹痛くなるぐらい笑った」「罵倒の言葉だけ翻訳がわかりやすいのがおもしろすぎる」と翻訳や音声を面白がる反応が続出している。

なお吹き替え前の生音声版の動画が、翌27日にバウアー投手の英語版ユーチューブチャンネルで公開されている。