倫理観の高い魔人がゲス主人公を正論パンチで殴りまくる。『願いを叶えてくれない魔人』はいかがわしいお願いから始まるドタバタコメディ
呼び出した者の願いを叶える“ランプの魔人”に出会ったとしたら、あなたは何を願いますか？
ニコニコ漫画「COMIC Hu」にて掲載中の『願いを叶えてくれない魔人』は、そんな魔人に主人公がとある願いをしたところから始まる空前のコメディ。
独特のテンポで展開していく、脱力感溢れるふたりのやり取りにご注目ください。
倫理観の高い魔人
大学1年生の陰キャ青年、相田（あいだ）ともはる。
偶然にも“魔法のランプ”らしき物を拾った彼は、中から現れた魔人を目の前に、曇りなき瞳で言い放ちます。そう、いかがわしいお願いを（何をお願いしたかは実際に作品をご覧ください）。
……が、無念にも空振り！ 魔人にそんな突飛な概念が伝わるはずもなく。
しばし悩んだ末、ともはるは、魔人にエロ漫画を読ませて概念を学ばせることにします。まさにAIの機械学習感覚。
そして1週間後、現代人の性癖の多様性と業の深さを頭に叩き込んだうえで、魔人はゆっくりと口を開くのでした。そんなマジカル的なパワー、創作の中ならまだしも現実ではやっぱり倫理的にアウトでしょう、と。
さらには、「自分の魅力をアップすることを願うほうが建設的だと思う」とも。うーん、ぐうの音も出ない正論。
魔人に優しく諭され、さすがのともはるも勢い任せに欲望丸出しの願いを言ってしまったことを反省。
しかし、かといって何が女子にとっての魅力につながるのかなんて、初手でいかがわしいお願いをする男がわかるはずもなく。
苦悩するともはるを見かねて、ここで魔人が彼に助言を授ける展開か……かと思いきや!?
「魔人もわかんないから恋愛漫画で勉強したい……」と、まさかの言葉が。あなた、それ漫画が読みたいだけでしょ。こうしてなし崩し的に、一向に願いを叶えてくれない魔人との共同生活が始まるのでした。
めくるめくキャンパスライフwith魔人
恋愛漫画から女心を学ぶことにした魔人。
一週間後、彼は結局“漫画の恋愛と現実の恋愛じゃ違いもあるだろう”との結論にいたるのでした。
そんなわけで、魔人はともはるの大学に同行して現地調査することを希望。
変装というにはあまりにもハマりすぎなB系ファッションに身を包み、キャンパスライフを堪能していきます。
……そうして、魔人ははたと気付くのでした。
「あっ、ともはる……今日、大学で魔人以外とまったく話してない……!!」と。
魔人が話を聞くと、やはりともはるは大学でぼっちであることが判明。
彼が孤高の道を歩むことになった原因には、入学当初にツケサー（漬け物サークル）で追ったトラウマが関係しているようです。
まあ、“山脈”に釣られてホイホイついて行ったともはるも悪いと言えば悪いのですが……。
“まともな交友関係すらないとなれば、もはやモテる以前の問題だ”と、ともはるのことを正論でオーバーキルしていく魔人。
しかし、魔人が心からともはるの願いを叶えたいと思っていることもまた事実。
そんな熱意に押されて、ともはるは新たな願いを閃くのでした……！
魔人が一向に願いを叶えてくれない
現代人と、ともはるへの理解を深めたうえで、いま一度、持ち主に願いを問うた魔人。
しかし、ここでも彼は魔人と我々の期待を遥かに下回るゲスっぷりを見せつけてしまいます。
モテ男になるために、ともはるが導き出した答えとは“金髪浅黒細マッチョ先輩と自分が入れ替われば良い”という浅はかなもの。
仏のように温厚だった魔人も、これには耐えかねた模様。
「自分の人生を捨てて他人の人生も奪う、自殺と殺人みたいなもんじゃん？」と、バッサリ切り捨てます。
一方で、ともはるの体に精神が移った側を指して“殺人”と比喩したことはスルー。
何だったら「その先輩入りともはるは要領よく生きそう……」なんて、サラッと酷いことも言い残しますが……。
……ともかく、「魔人はともはるが無価値だとは思わないからね？」と優しい言葉をかけて、いい話風にまとめるのでした。
ただ実際問題、このままでは一向にともはるの願いは叶いそうにないわけで。
結局この日も、魔人からは「ツケサーのことは忘れて……なにか別のサークルにでも入ったら……？」という現実的な提案がなされるのみに終わります。
人としていろいろな意味で終わっているともはると、妙に倫理観が高すぎる魔人とのやり取りは、依然として平行線。
そんな折、突如ともはるの家にやってきたこちらの美少女は、ふたりのあいだの均衡を破る存在となってくれるのか!?
まだまだドタバタ続きになりそうな本作。今後の展開が気になった方は、ぜひ続くエピソードをチェックしてみてください！
（画像はニコニコ漫画『願いを叶えてくれない魔人』より）
