Apple関連の特許や商標をチェックするニュースサイト・Patently Appleが、「テキストメッセージング用のパーソナライズされた音声」というAppleからの特許出願がアメリカの特許商標庁のデータベースで公開されたと報じています。出願された機能は、iMessageで受信したメッセージを送信者の声で読み上げさせるものでした。

20230051062 PERSONALIZED VOICES FOR TEXT MESSAGING

(PDFファイル)https://image-ppubs.uspto.gov/dirsearch-public/print/downloadPdf/20230051062



Apple invents Personalized Voices for Text Messaging - Patently Apple

https://www.patentlyapple.com/2023/02/apple-invents-personalized-voices-for-text-messaging.html

iMessage to voice note: Patent to play messages in your voice

https://9to5mac.com/2023/02/16/imessage-to-voice-note/

スマートフォンやPCなどの電子機器を使う現代人にとって、特にソーシャルメディアやインスタントメッセンジャーツールが当たり前になった現代社会において、メッセージのやりとりは必要不可欠な作業。しかし、こうしたメッセージを受け取った後は「送られてきた文章を読む」という作業が当たり前となっており、それ以外にメッセージを確認する方法は少ないといえます。

読む以外の方法だと例えば、iPhoneだと届いたメッセージを音声アシスタントのSiriに読み上げさせることができます。しかし、Siriは送信者が異なるメッセージを同じ声と抑揚で読み上げるため、メッセージが誰から送られてきたのかを音声だけで確認するのが難しいという問題があります。



今回Appleが出願した特許は、メッセージごとにパーソナライズした音声を用意するシステムとなっています。これは、送信者がメッセージをデバイスに向かって読み上げて録音を送信するのではなく、受信者のデバイス上で送信者の声を再現してメッセージを読み上げるというもの。

特許出願の書類で紹介された例では、「送信者のデバイスで複数の入力を基に音声モデルを構築し、メッセージを送信する際に音声モデルも送信するかどうかを確認する。受信者のデバイスでは、送信者の音声モデルも受信するかどうかが確認される。送信者の音声モデルも受信すると、送信者の声でメッセージが読み上げられる」とあります。



音声モデルはメッセージに添付されるのではなく、個別に送信されるため、音声モデルを送信したからといってメッセージの受信に時間がかかることはありません。また、受信者にとって読み上げが不要であれば、音声モデルを受信しないという選択も可能というところがポイント。

なお、Patently Appleによるとこの特許出願は2022年10月下旬に申請されており、発明者はSiriのText-to-SpeechチームのディレクターであるD・ウィナルスキー氏となっています。