宇都宮市では、よりよい生活環境と交通の利便性を高めるため現在、市内6カ所で土地の区画整理事業を行っています。道路の幅が狭く、交通渋滞などが懸念されていた清住町通りを含む中心市街地の小幡・清住地区でも新たな道路や住宅地の整備が進められています。

 JR宇都宮駅から西に約2キロメートル、中心市街地の北西の位置にある小幡・清住地区です。土地区画整理事業が、目に見える形で進んでいます。この地区は先の大戦で空襲による戦火を免れ、今に歴史を伝える昔ながらの街並みが残されていました。しかし、近年、自然災害が多く発生する中、住宅が密集し道路が狭いことなどから救急時や防災上の課題を多く含んでいる地区でもあります。

 都市計画が決定していたのは、今から半世紀以上前となる1966年までさかのぼります。東日本大震災が発生した2年後の2013年に、市と住民との間で合意形成がなされたとして県から事業が認可されます。都市計画決定から47年の時を経て事業が動き出しました。

 この地区には約1150人が住んでいて、建築物は434戸、そのうち移転が必要なのは88%に当たる382戸です。面積は16.9ヘクタール、東京ドームの約3.6倍ほどで、総事業費は約267億円です。この事業により、土地の利用状況は約89%だった宅地が68%に減る一方で、道路や公園などの公共用地が11%から32%に増える予定です。

 整備される主な幹線道路は宇都宮地方裁判所の東側を北に630メートルまで新たに整備する道路と、その道路と県庁前の道路を結ぶ事業区域の245メートルの道路などです。整備によってメインの通りは清住町通りから新たな道路に変わります。いずれも道路の幅は26メートルほどに広がり、片側2車線の道路になります。これまでこの地区になかった公園は3カ所に設置され、住民の憩いの場や災害時には避難場所として活用されます。事業は2027年度までの完了を目指しています。