栄養ドリンクを飲むと「飲酒運転」!? エナジードリンクは大丈夫? お酒以外に気をつけたい飲食物とは

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栄養ドリンクにアルコール成分は入っているの?酒気帯び運転になる?

 長距離や深夜などの運転時に、疲労を癒やしたり集中力を高めるために栄養ドリンクやエナジードリンクを飲んで運転する人もいるかもしれません。
 
 現在市販されているドリンクでは、一部の商品でアルコール分を含むものも売られているようですが、これを飲んで運転した場合、酒気帯び運転にはならないのでしょうか。

お酒じゃないのに飲んだら「違反」!?(画像はイメージ)

 酒気帯び運転について道路交通法第65条では「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない」と規定されています。

【画像】何気ない運転がまさかの「違反」!? やってしまいがちだけどNG! 違反行為を画像でチェック(14枚)

 つまり、お酒でなくても体内にアルコール成分を取り入れるだけで酒気帯び運転として取り締まりを受ける可能性があるということです。

 たとえば実際に、市販されている栄養ドリンクの中には0.1%程度のアルコール度数のものもあります。

 アルコール度数では一般的にビールが5%程度とされているため、栄養ドリンクではかなり微量に思えてしまいますが、いずれにせよアルコール成分が含まれていることには変わりありません。

 また、アルコール成分を含む栄養ドリンクを飲んだうえにさまざまな要因が重なると、酒気帯び運転を取り締まる際に使われるアルコールチェッカーに反応することがあるようです。

 では、栄養ドリンクやエナジードリンクを飲んでから運転するのは問題ないのでしょうか。

 これについて、警視庁の担当者は、以下のように話します。

クルマを運転する前に栄養ドリンクやエナジードリンクを飲むこと自体は当然問題はありません。

 しかし、そこにアルコール成分が含まれており、ドライバーの体内からアルコール成分が検出された場合、酒気帯び運転に該当する可能性があります。

 万が一よく飲むエナジードリンクや栄養ドリンクにアルコールが含まれている可能性があることが事前にわかる場合は、運転する前は控えた方が良いかもしれません」

 エナジードリンクはアルコール成分を含んでいないため酒気帯び運転の心配がありませんが、栄養ドリンクだと体質や体調によっては運転能力に影響を与える可能性があるでしょう。

 具体的に、アルコール成分の含有量が0.91gの120ml栄養ドリンクの場合、21本飲めば、計算上では酒気帯び運転の基準値程度のアルコールを摂取したことになります。

 アルコール成分に弱い人や体調が優れない人が、栄養ドリンクを大量に飲むと運転能力に影響がみられることもあり、こういったケースでは、アルコール成分が体内から検出されるため、酒気帯び運転として違反になる可能性もあるでしょう。

量によっては酒気帯び運転の扱いになってしまう飲み物や食べ物がある?

 アルコールが含まれる一部の栄養ドリンクを大量に飲んだ後にクルマを運転すると、酒気帯び運転に該当する可能性があるようです。

 しかし、栄養ドリンク以外にも注意したほうが良い飲み物や食べ物があります。

「うっかり違反」を防ぐために運転前の飲食にも注意が必要(画像はイメージ)

 たとえば、甘酒やかす汁、アルコール入りのチョコレートなども、アルコール成分を含む飲み物や食べ物として当てはまります。

 甘酒には酒粕タイプと米麹タイプがありますが、とくに酒粕タイプの場合は注意が必要で、200gを飲むと、ビール78mlを飲んだ場合のアルコール量と同じになります。

 また、酒粕を加えて煮込んだ日本の汁物料理であるかす汁の場合は、お椀1杯ほどの200gを食べると、ビール82mlを飲んだ場合のアルコール量と同じになってしまいます。

 アルコール入りのチョコレートの場合、約73個食べると理論上は酒気帯び運転の取締対象となりうる基準量(呼気1L中のアルコール濃度が0.15mg以上)となり、缶ビール1本分のアルコール量17.5gに相当するアルコール成分を摂取する計算となります。

 ただし、これらはあくまでも計算上であることを念頭においたほうがよく、これより少ないアルコール成分であってもその人の体質や体調によっては運転に支障をきたすことも考えられます。

 そのため、アルコール成分を含む飲み物や食べ物を摂取して、気分が優れない場合は、念のため運転を控えるほうが好ましいでしょう。

※ ※ ※

 このようにエナジードリンクにはアルコール成分が含まれていませんが、栄養ドリンクや甘酒、かす汁などには微量ながらアルコール成分が含まれています。

 アルコール成分が与える影響は個人差が大きいため、ほかの人が問題ないとしても、自分の体調はどうか判断し、運転能力に支障をきたすようなら運転を控えたほうがよいでしょう。